第5話「出会い」
「は、、、?置いていかれた?」
膝から崩れ落ちた。
なんで置いていかれるんだ、、、?
なぜ、俺は見捨てられたんだ、、、?
その言葉しか頭に入ってこなかった。
「ああ、あ、、ぁ、、、、」
体の力が抜けるような感じだった。
全てが終わったと感じた。
「あの、、、あなたも置いていかれたんですか?」
振り向くと、中学生ぐらいの男の子が立っていた。
「ああ。お前もか、、、?」
「はい、、、揺れで避難がしにくいことになってて、来たらもういなかったんです。」
聞いた話、彼も俺と同じく乗り遅れたらしい。
途端、とてつもない絶望を感じた。
ただし、世の中はそんなに甘くない。
絶望している間にも時間は刻一刻とすぎていく。
「うわっ、、またか。」
「と、とにかく、北海道の方に逃げましょう!」
「あ、ああ!」
そう言って俺等はビルの階段を駆け下りた。
幸い、ビルの損傷は少なかったから素早く下に降りれた。
◉
「北は、、、あっちです!」
「ああ、ありがとう。行くぞ!」
俺等は車の乗り捨てられた高速道路を歩いている。
奇跡的に何事もなく進めていたが、、
そんな簡単には行かせてくれない。
「げっ、、、道がかけてる、、、」
「どうしましょう、、、」
このまま下に降りるのもリスクが高い。
「、、、いいか?よく聞け。ここを渡る。」
「はい、、、?」
「安心しろ。俺が後ろにいる。」
そうして、俺はその子を後ろから支えながら人一人分あるかないかの細い道を渡っていく。
「み、見て下さい!皆既日食が、、、!」
「な、、、!?」
俺等は空を見上げた。
「皆既日食が始まっている、、、だと!?」
最悪のケースが生まれてしまった。
まだ、関東からは出ているからすぐに命の危険があるわけではない。
「くそっ、、、!こうなったら」
俺は周りを見渡し、鍵がついている車を探した。
必死に探し回り、とうとう
「み、見つけました!」
「よし、、、!これで一か八か、、、」
そう呟いて大きく息を吸って大声で叫んだ。
「乗れ!死にたくなければ乗るんだ!」
「は、はい!」
そのまま俺も全力で走り、エンジンをかけた。
上手く一発でついた。
「よし。行くぞ!」
そう言って俺はエンジンを吹かし、走り去った。
[To Be Continued...]
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