46話 それでも咲く理由


黒百合が解き放たれた世界に、静かな朝が訪れた。

教祖たちの瞳には、かつて見たことのない穏やかな光が宿っている。


スイレンは静かに語り始めた。


「私たちがこれまで犯してきた過ちは、深く償わなくてはならない」


ローズは拳を握りしめ、しかしその表情はもう憎しみではなかった。


「壊すのではなく、守るために戦うべきだったんだね」


シャクヤクも静かに頷く。


「怒りは力になる。でも、正しく使わなければ人を傷つけるだけだとわかった」


ユリは彼女たちに手を差し伸べる。


「これからは一緒に、未来を作ろう」


教祖たちはユリの手を取り合い、固く握り締めた。


その瞬間、彼女たちの体に淡い光が灯り、花のように輝き始める。


世界はまだ傷だらけだが、確かな希望の芽が芽吹き始めていた。

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