大人にも読んでほしい作品

主人公は高い壁に囲まれた「しらさぎのまち」に住む少女・ミカン。ある日彼女は、壁の外から来たクラスメイトの少年・ナツメが、壁の外で守り手として一人で戦っていることを知る。ミカンは自分に何ができるのか考え──

本作は児童向けらしく、また主人公も10歳と幼いため平易な文章で書かれています。
しかし、内容はぜひ大人にも読んでほしいと思える作品でした。

高い壁に囲まれた街でずっと平和に暮らしてきた人々。壁の外にある危険を知っていて、それでも一人で戦うしかない少年。その現状を良しとしないけれど打破もできない大人。
どこか、現実の戦争を取り巻く状況を彷彿とさせます。

大人でも答えを出すのは難しい。けれどその問題に、10歳の少女らしい視点から解決を試みようと奮闘する姿に胸を打たれることでしょう。

そして名称に、鳥と果実の名前が使われていることにも意味がありそうな……?

この先は実際に読んで、自分の目で確かめてみてください。