朝から……笑いました。
残念な人しかいない。
話も平和で、ギャグも比較的エグくない。下ネタ連発とか、ツッコミ入れるたびに流血沙汰になるとか、そんな人を選ぶギャグが無いんです。漫画を小説で読んでいるみたいな感じで、漫画脳な人でも読みやすい文体です。
本作の舞台は、勇者と魔王がいるタイプのファンタジー世界。が、別に戦争はしていません。物語開始時点では戦いは終結しているのです。
主人公は魔王の側近モルダくん。
前述したとおり、戦いは終わり穏やかな時代だというのに、突如として魔王様が勇者を討つと問題発言されてしまうところから物語が開始します。理由はただひとつ。妹に構って欲しい。しょーもない理由です。
ここで、忠誠心溢れる頭すっからかんタイプの従者ならノリノリで打倒勇者に乗っかってしまうでしょう。ですが……本作は一度たりとも戦争しません。だから、安心して読み進められるのです。
モルダくんもしっかり者かと思いきや残念な一面があり、肝心の勇者もなかなかに残念な男。ずっと残念な人(あるいは魔族)しかいないのです。その残念さに読者はずっと腹筋を狙われ続けます。すぐ笑ってしまうタイプの方は読む場所に気を付けましょう。現実にまで残念を持ち越す可能性があります。
お勧めです。未読の方はぜひ、この残念と平和しかないドタバタ劇で笑ってください。
勇者と魔王の戦いが終結して170年。
魔王とその配下も軍団の維持は行っているが、人類へ本格的な攻勢に出ることはなくなった。魔族と人間の対立は続いているものの、穏やかな時が過ぎる時代。
……だった、はずが。突如として魔王が、打倒勇者を掲げて立ち上がる。
目的。最近冷たくなった妹に構って欲しい。
あまりに個人的な理由で時代を動かそうとする魔王を、側近のモルダは呆れ半分で諫める。
だが、その魔王の妹エリュの彼氏が、あろうことか人間の勇者であることが判明して……
というお話。
あまりに大規模に迷惑なスイッチに手も指も足もかけていながら、自分の半径5メートル程度の事情しか気にしていない魔王。しかし、それだけに想いは切実である。何せ妹が、兄を兄とも思わなくなってしまうのだ。大問題なのだ。
事情を抱えているのは魔王だけではない。魔王の妹エリュも、勇者ハウトも、それぞれ事情で動き、空回り、すっころぶ。
世界の行く末はどうなるか。三人の事情にモルダも振り回されてしまうドタバタコメディ。
全体的にゆるい雰囲気で進むので、ゆるっと読めてほっこりできます。何よりかわいいし。
マンモラゴラかわいい……