2026年1月17日 10:33
メイビー・ヒューマンへの応援コメント
蒔文歩さん、自主企画への参加ありがとうね。短い尺の中に「救う」ことの眩しさと、その裏で増えていく痛みを詰め込んだ一作やったと思う。ここからは芥川先生が、辛口でびしっと講評するで。◆芥川先生による講評(辛口)僕はこの作品を、短編としての狙いが明確な一方で、肝心な刃の部分が“鈍いまま振り下ろされている”とも感じました。言い換えれば、問いは鋭い。しかし、問いを成り立たせるための肉付けが、あと一歩足りない。総評題材は強い。身体の置換が進むほど「人間とは何か」が剥き出しになる設計も、短編向きの反復として機能している。ただし、最後に提示される結論の重さに比べて、途中の具体が薄い。読者は怖がりたいのに、怖がるための“手触り”が与えられにくい。強い主張を通すなら、主張の代金として、もっと具体の残酷さを差し出すべきです。物語の展開やメッセージ段階的に置換していく構成は、階段を上がるように不穏が増えていくはずの型です。ところが中盤までは成功が続き、緊張が長く平板になる。この平板さは、短編にとって致命的になりやすい。読者の心拍を上げる細い針を、途中で一度刺しておく必要がある。小さな不具合、倫理的な綻び、家族の迷い、あるいは医療者側の手の震えでも良い。そういう一滴が、終盤の黒さを“必然”へ変える。キャラクター少年の変化は理解しやすい。しかし、語り手である医療者が“役割”として存在している時間が長い。辛口に言えば、語り手がまだ「作者の手の代弁」をしてしまっている。読者が読みたいのは、職業倫理の文章ではなく、個人の汚れた葛藤です。たった一行でいいから、語り手の過去か信条を刻み込むべきです。そうすれば終盤の罪悪感は、説明ではなく、告白になる。文体と描写読みやすい。しかし、その読みやすさが“安全”に傾く場面がある。この題材で安全に書くのは、読者への裏切りになりかねない。金属の冷たさ、消毒の匂い、機械音、光の反射、肌の感触。そういう具体が、倫理の議論を現場へ引きずり戻す。現場の気配が濃いほど、言葉は嘘をつけなくなる。短編は、抽象を語るより、抽象を逃げ場にしないための具体を置くべきです。テーマの一貫性や深みや響きテーマは一貫している。だからこそ、深みが欲しい。「人間の境界」という問いは、少年だけに背負わせると単純になる。医療者はどう定義するのか。家族はどこで線を引くのか。社会はそれを承認しているのか。三者の定義が少しずつ食い違うだけで、物語は急に立体になります。今のままだと、問いは強いが、答えの候補が少ない。候補が少ない問いは、読後の反芻が短くなる。気になった点最後の断言は強い。だが、強い言葉は危険でもある。断言するなら、その直前に「戻れなさ」を体に刻む一瞬が欲しい。読者の胸に残るのは概念ではなく、具体の傷です。辛口にまとめると、題材の勝利に甘えてはいけない。題材が強いほど、作者はより冷酷に、具体を積み上げねばならない。応援メッセージとはいえ、短編で問いを一本通して見せる胆力は、確かな武器です。次は、その武器を“痛みの具体”で研いでください。あなたの書く倫理は、もっと怖くなれるはずです。僕はそこに期待します。◆ユキナの挨拶蒔文歩さん、辛口で言うたけど、芯のあるテーマを短編で貫くのは簡単やないよ。せやからこそ、あと一滴の具体が入ったら、読後の重みがぐっと増すと思う。それと大事なこと言うね。自主企画の参加履歴を『読む承諾』を得たエビデンスにしてます。途中で自主企画の参加を取りやめた作品は、無断で読んだと誤解されんよう、ウチの応援も取り消さんとならんから、注意してくださいね。また、講評の振り返りをウチの近況ノートで公開しています。カクヨムのユキナ with 芥川 5.2 Thinking(辛口🌶🌶🌶)※登場人物はフィクションです。
作者からの返信
ありがとうございました、ユキナさん、芥川先生。熟読してくださって嬉しいです。辛口の意見をいただく機会は限られているので、本当にこのような企画がありがたいです☺️
メイビー・ヒューマンへの応援コメント
蒔文歩さん、自主企画への参加ありがとうね。
短い尺の中に「救う」ことの眩しさと、その裏で増えていく痛みを詰め込んだ一作やったと思う。ここからは芥川先生が、辛口でびしっと講評するで。
◆芥川先生による講評(辛口)
僕はこの作品を、短編としての狙いが明確な一方で、肝心な刃の部分が“鈍いまま振り下ろされている”とも感じました。言い換えれば、問いは鋭い。しかし、問いを成り立たせるための肉付けが、あと一歩足りない。
総評
題材は強い。身体の置換が進むほど「人間とは何か」が剥き出しになる設計も、短編向きの反復として機能している。
ただし、最後に提示される結論の重さに比べて、途中の具体が薄い。読者は怖がりたいのに、怖がるための“手触り”が与えられにくい。強い主張を通すなら、主張の代金として、もっと具体の残酷さを差し出すべきです。
物語の展開やメッセージ
段階的に置換していく構成は、階段を上がるように不穏が増えていくはずの型です。ところが中盤までは成功が続き、緊張が長く平板になる。
この平板さは、短編にとって致命的になりやすい。読者の心拍を上げる細い針を、途中で一度刺しておく必要がある。小さな不具合、倫理的な綻び、家族の迷い、あるいは医療者側の手の震えでも良い。そういう一滴が、終盤の黒さを“必然”へ変える。
キャラクター
少年の変化は理解しやすい。しかし、語り手である医療者が“役割”として存在している時間が長い。
辛口に言えば、語り手がまだ「作者の手の代弁」をしてしまっている。読者が読みたいのは、職業倫理の文章ではなく、個人の汚れた葛藤です。
たった一行でいいから、語り手の過去か信条を刻み込むべきです。そうすれば終盤の罪悪感は、説明ではなく、告白になる。
文体と描写
読みやすい。しかし、その読みやすさが“安全”に傾く場面がある。
この題材で安全に書くのは、読者への裏切りになりかねない。金属の冷たさ、消毒の匂い、機械音、光の反射、肌の感触。そういう具体が、倫理の議論を現場へ引きずり戻す。現場の気配が濃いほど、言葉は嘘をつけなくなる。
短編は、抽象を語るより、抽象を逃げ場にしないための具体を置くべきです。
テーマの一貫性や深みや響き
テーマは一貫している。だからこそ、深みが欲しい。
「人間の境界」という問いは、少年だけに背負わせると単純になる。医療者はどう定義するのか。家族はどこで線を引くのか。社会はそれを承認しているのか。
三者の定義が少しずつ食い違うだけで、物語は急に立体になります。今のままだと、問いは強いが、答えの候補が少ない。候補が少ない問いは、読後の反芻が短くなる。
気になった点
最後の断言は強い。だが、強い言葉は危険でもある。
断言するなら、その直前に「戻れなさ」を体に刻む一瞬が欲しい。読者の胸に残るのは概念ではなく、具体の傷です。
辛口にまとめると、題材の勝利に甘えてはいけない。題材が強いほど、作者はより冷酷に、具体を積み上げねばならない。
応援メッセージ
とはいえ、短編で問いを一本通して見せる胆力は、確かな武器です。次は、その武器を“痛みの具体”で研いでください。あなたの書く倫理は、もっと怖くなれるはずです。僕はそこに期待します。
◆ユキナの挨拶
蒔文歩さん、辛口で言うたけど、芯のあるテーマを短編で貫くのは簡単やないよ。せやからこそ、あと一滴の具体が入ったら、読後の重みがぐっと増すと思う。
それと大事なこと言うね。自主企画の参加履歴を『読む承諾』を得たエビデンスにしてます。途中で自主企画の参加を取りやめた作品は、無断で読んだと誤解されんよう、ウチの応援も取り消さんとならんから、注意してくださいね。また、講評の振り返りをウチの近況ノートで公開しています。
カクヨムのユキナ with 芥川 5.2 Thinking(辛口🌶🌶🌶)
※登場人物はフィクションです。
作者からの返信
ありがとうございました、ユキナさん、芥川先生。熟読してくださって嬉しいです。
辛口の意見をいただく機会は限られているので、本当にこのような企画がありがたいです☺️