第11話 魔法師殺し
リリス(成長が早いな。)
あれから1週間ほどが経った。
享の成長は速く、普通の人間なら1週間で代表的な初級魔法を覚えるくらいなのだが、享は中級魔法を終え上級魔法も終えようとしていた。
享(インフェルノバースト)
享は詠唱をしないで魔法を放った。
規模的にはリリスが放った魔法には劣るがAランクの魔物に致命的なダメージを与えるくらいの規模だった。
リリス(異常だな。私でも無詠唱は半年くらいかかったというのに。)
リリス(まさか...いやそんな事はないな。)
リリスは過去に享と似た人物を思い浮かべた。
享「Aランクが終わったから次はSランクですか?」
リリス「ああ、そうなるな。」
リリス「だが、相当魔力が消耗している。明日にしよう。」
享「はい。」
リリス「休憩が終わったらいつものやるぞ。」
享「...はい。」
享(あれが始まるのか。)
享「うおっ。」
リリス「早く狩らないと日が暮れてしまうぞ。」
享「わかってます、よぉ!?」
享が木にあたった。
享(スキルとこの身体能力を使えたら楽なのに。)
享は現在魔法だけで、魔法耐性のある蛇型魔物、
享(狩ったら美味しく頂いてやる!)
リリス「...全然ダメだ。」
リリス「言っただろう?感情ではなく論理で魔法を使え。焦るな。」
享「すぅぅ。しぃぃ。フロストテンペスト。」
享は大きく深呼吸をし、氷のAランク魔法を放った。
「シャアアア!!」
反魔法蛇に効いているようには見えなかったが享は能力値を見る事により反魔法蛇にダメージが入っていることがわかっていた。
享「サンダーストーム。」
享「グランドクエイク。」
享は続け様に魔法を放った。
「シャァァ...」
享「ふぅ。」
リリス「体内の魔力量も多くなったな。」
リリス「だが、自分の実力を過信しすぎるなよ。」
享「はい。」
享とリリスが小屋に帰ろうとした時。
「!?」
2人は空が赤黒くなり、地面が揺れた。
享「これはなんですか?」
リリス「私が対処しに行く。お前はここで待っていろ。」
享(なんであんなに焦っているんだ?)
享は前にリリスに質問したことを思い出した。
〜回想〜
享「何故そんなに強いんですか?」
リリス「そうだな...。まず魔女の特性について教えようか。」
リリス「魔女は経験した絶望の度合いによって強くなる。」
享「つまり貴女は、強い絶望を経験したということですか?」
リリス「そうだ。」
リリス「何も出来なかった。何も出来ずに見殺しにしてしまった...。」
享「...この話はもう終わりにしましょう。」
〜回想終了〜
享(あれはあの夜言っていた弟子のことなのか。)
享(もし俺の仮説が合っているなら、あの人はこの異変を止めようとしているのかもしれない。)
享はリリスに気付かれないよう気配を消して後を追った。
暗い森を迷わずリリスは突き進む。
享(この辺に何かあるのか?)
享は前言撤回したくなるほどの強い魔力を感知した。
リリスは祭壇のような場所に来た。
リリス「おい、来てやったぞ。」
何もない虚空に向かってリリスは言った。
「121年振りか?リリス。」
リリス「そんなには経ってないだろう?カイ。」
カイと呼ばれた男は黒髪に赤メッシュがかかった、高身で運動用の黒い長袖長ズボンに身を包んでいた。
享(あいつはカイ・ヴァルド。称号は
享は能力値を見ることによってカイの本名と称号を見た。
享(この辺でいいか。)
享は少し遠くの大きめの木の上に立ち2人を見た。
リリスとカイの間には静寂が流れていた。
静寂を先に破ったのはリリスだった。
リリス(
カイ「
リリス「厄介だな。」
カイ「何も変わってないだろう?昔と。」
リリスとカイは突然、肉弾戦を行った。
享(カイが放った魔法、あれは魔法を無効化する魔法なのか。)
享はリリスの魔法の魔力が乱れたのが見えたためカイの魔法が瞬時にわかった。
享(リリスは完全に魔法特化、カイは魔法無効の魔法を駆使した肉弾戦、戦局はカイの方が有利だな。)
享は前もって創造之王の能力によりスキル
享(カイもなかなか強そうだ。リリスとカイの魔法を模倣しよう。)
簡潔に魔法を説明すると魔法無効の領域と周囲の生命力と魔法を吸収する魔法だ。
リリスの頭の中の人物「貴女がこいつを斃すんです!俺の事は放って逃げてください!」
リリス(こいつと戦っていると嫌でも思い出すな。)
カイ「今のままじゃ、負けちまうぜ。あの時のように!」
リリス「私がお前の対策をしてきてないとでも思っているのか。」
リリスは黒い球体を取り出した。
享(なんだあれは?)
享は初めて見たので疑問を感じた。
リリス「魔道具
そう唱えると同時にリリスは黒い球体を破壊した。
カイ「⁉︎」
リリス「
リリスが唱えた刹那、辺り一帯が跡形も無く消え去り、カイがいた場所には煙が上がっていた。
享(あっぶねぇ〜。)
享は咄嗟に離れリリスの方を見た。
享は視力も良いため、遠くからでもはっきりとリリスの状況がわかった。
リリス「げほっごほっ。」
リリスは少量の血を吐き、地に座り込んだ。
リリス「はあ、はあ、はあ」
完全に息が上がっており手を地に付けているため戦える状況ではなかった。
リリス(不完全だが、人1人を殺すには十分な火力だ。)
リリスはもしものために魔法を放つ準備をした。
緊急任務
カイを討伐せよ
任務達成条件 カイの息の根を止める
任務達成報酬 選択式報酬
カイ「
煙から肌が焼け、血を流したカイが出てきた。
カイ「相当強くなったな。だが強くなったのはお前だけじゃないんだよ。」
リリス「っ、はあっ。はぁっ。」
カイ(殺すなら今しかないか。)
カイはリリスに向かって回し蹴りをした。
だが、それはリリスに届く事は無く、カイは反撃を喰らってしまった。
カイ「誰だ?」
享「誰かなんてどうだって良いだろう?」
カイ(なるほどな。)
カイはリリスを見て心配そうな顔で享のことを見ていたため、リリスの弟子だとすぐに気がついた。
リリス「に、げっ、ろ。」
亨「安心してください。」
リリス「!!」
リリスは自分の頭の中の人物...前の弟子と享が完全に一致した。
自分に背中を向け、横顔を見せた姿が。
享「さて、言っておくが、お前と俺との相性は最悪だぞ。」
カイ「それはどっちが、だ?」
享「勿論、お前が。」
カイ「魔導拒絶領域」
カイはそう魔法無効領域を展開した。
享「それは意味がないぞ。」
だが元々の身体能力が高く、スキル主体で戦う亨にとっては意味のないものだった。
カイは吹っ飛ばされ、遠くの木々に当たった。
享(せっかくならスキルの強さを把握しておくか。)
享(重力之王)
享は2倍の重力をカイにかけた。
カイ「ぐっっ。」
立ちあがろうとしたカイにそれは酷なことだった。
享は強欲之王、傲慢之王、憤怒之王、暴食之王、嫉妬之王、怠惰之王、色欲之王、守護之王を常時発動させた。
カイ「零魔構造!」
零魔構造は対象の魔力を消去するものなので、魔法だけで無く、スキルも消すことが本来可能だが、強欲之王と傲慢之王によって力を奪われているため、享の魔力を十分に消去出来なかった。
享(制裁之王)
享はカイに制裁を与えた。
制裁内容
カイの魔力の25%を享に変換
カイの魔法の威力を25%減
カイの身体能力を25%減
3つの制裁を与えたため、享の力がさらに増した。
カイ(体がだるくなってきた...。)
享(力が沸いてくる。だがもうそろそろ終わらせるか。)
今の享の状態
身体能力1000%増
魔力量1000%増
スキル威力800%増
享がカイの腹を軽く速度を付けて殴っただけで、風穴が空いた。
任務達成
以下から選択
20能力値ポイント
スキル 魔法之王
この世界の通貨日本円換算20万円
享「強欲之王を使用し、上2つを獲得する。」
享は20能力値ポイントと究極スキル 魔法之王を獲得した。
享「うぐっっ。」
享は血を吐き倒れてしまった。
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NEWスキル
究極 魔法之王
魔法の理解がとても上がる
魔法を無限に収納し、収納した魔法を使える(魔法之王を使う時に魔力を消費するが、一定なので魔力を多く消費するものは魔力消費が少なくなる逆も然り)
不完全の魔法を完成させることができる。
究極 模倣之王
技術、剣術、刀術、呼吸法、魔法、スキルなどを模倣する
模倣したものはオリジナルと同等
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享の
体力 150 (HP1500)
筋力 180
防御 150
魔力 120 (魔力量約12000)
瞬発 180
能力値ポイント 100
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