第3話 強者になるために
享がこの世界に来てから一週間が経ち、今はこの世界の常識を書き記していた。
まず、この世界には森や平原など自然の中に魔物がいること。
ペスニス王国という大国がほとんどの領地を支配していること。
そして、最も重要なことはこの世界が享を排除しようとしていること。
この一週間移動するたびに享のいた世界のBランク越えの魔物が十数匹現れることが多々あり、それらを薙ぎ倒してひとまず王国の検問を潜り抜け、住人から情報を聞き終わった後宿屋で休憩していた。
享(便利だな。このスキルは。)
享はスキル 任務 を使い自分で任務を創り、それを達成してこの世界のお金を稼いでいた。
そして重要なことがもう一つある。それは、この世界が享のいた世界ではないこと。
つまり任務を使いスキルを入手できることだ。これにより享はスキル 統合・分離 やスキル
5kmほど離れた洞窟の前にて。
享「よし、行くか。」
早速、享が中に入ると、Bランク程度の狼型の魔物、ウルフが5匹程度出てきた。
享「炎操作」
そう言うと2匹がなんの前触れもなく、燃え始め火を消そうと振り払っているうちに、残りの3匹に氷操作を放ち、足元を凍らせ、雷操作で感電させた。
3匹を処理した後、残りの2匹を前蹴りや回し蹴りなどで倒した。
5匹の死体を処理して、毛皮、内臓、骨、肉などに分け、任務を使いそれらを換金した。
後15匹倒すと享が欲しいスキル
道中先ほどの魔物が55匹、Aランクの人型で豚のような顔のオークや鬼のような筋骨隆々で角の生えたオーガをそれぞれ10匹ずつ倒した。
最奥に辿り着くと禍々しいものを纏っている気がする宝箱を守るように先ほどよりも大きいウルフ、オーク、オーガがいた。
享が走り出し毒操作をウルフに向けて放つがそれを軽々と避けた。
それを狙ったように空中でアッパー、やストレート回し蹴りをし、最後に氷操作で氷漬けにした。
オークとオーガは2匹で襲いかかってきたが、享にとってはすでに遅く、後ろに回り込み炎操作、雷操作を両手で合わせ、炎と雷を混ぜた攻撃を行ったが、オーガは耐えていた。
だが、そんな抵抗も虚しく、最後に踵落としをくらい息絶えた。その3匹を倒したことで、スキル 筋力増強、スキル
この洞窟だけで享のいた世界換算で言うと50万円ほど稼げた。そして宝箱の中には2つの刃渡20cmほどの短剣があり、黒い鞘を抜くと刀身が赤黒く光る短剣と、白い鞘を抜くと刀身が青白く光る短剣であった。
洞窟を出た時、馬に乗り鎧を纏った騎士らしき者たちが来て、その中でそれらをまとめる団長的な存在が馬から降り、享に話しかけた。
「今、その洞窟から出てきたような気がするのですが…。」
享「ええ、最奥にある宝箱を取り今からペスニス王国へ帰るところです。」
すると、周りの騎士らしき者たちが動揺していた。
享「あの...あなたは?」
「これは失礼、私はペスニス騎士団団長ライシック・オリオンです。」
兜を脱ぎ、30ほどの男性が自身の名を言った。
享「俺は享です。」
ライシック「享?あまり聞かない名ですね。」
享「まあ放浪者のような者です。」
ライシック「そうでしたか。」
享「あの...なぜ騎士の皆さんは動揺しておられるのですか?」
ライシック「ああ、それは享さんが私たちが攻略しようとしていたAランクの魔物の溜まり場でしてね。」
ライシックの事情を聞くと、最近魔物の行動が活発になってきており、早めに高ランクの溜まり場を攻略し、魔物による被害を減らすために、騎士50名ほどで攻略しようとしていたと言う。
享「俺、余計なことしちゃいました?」
ライシック「いえ、こちらとしても体力を消耗せずに次の溜まり場へ行けるので好都合です。ところで...この洞窟どれくらいで終わりました?」
享「だいたい10分ほどですかね。」
ライシック「そうですか、もしよければ次の目的地について来られるのであれば同行しませんか?享さんがいたら私としても心強いです。」
享「はい、全然大丈夫ですよ。」
それから30分後、次の目的地、森に着き馬を置いて
森の中に入ると兎型のCランクの魔物キラーラビットが100匹ほど現れた。
ライシック「総員!武器を構えキラーラビットに対処せよ!!」
享はそう言われる前に動いており、炎操作、氷操作、雷操作を統合してできた、炎氷雷操作を使い70匹ほどを蹴散らし、高速疾走を使い残りの30匹程度を処理した。騎士たちが武器を構える頃にはもう全て終わっていた。
ライシック(ははっ。とんだ化け物じゃないか。)
とライシックはそんなことを思っていた。
それからも享が次々とキラーラビットを蹴散らし、さらに兜虫型のBランクの魔物ストロングビートルや鍬形虫型のBランクの魔物スピードスタッグを倒し、気づけば森の中心部に来ていた。
ライシック「享さん、そろそろお疲れでしょう。ボスは私たちが倒します。」
享はコクッとうなづき後方で見守っていた。
今回は大きめのストロングビートルにスピードスタッグだった。ライシックはその巨躯を活かせる大剣を持っており、ストロングビートルの攻撃を受け角を掴むとその周りから騎士たちが現れ、剣を使い脚や頭、胸、腹部に分けた。その隙にスピードスタッグがライシックの背中に攻撃を仕掛けた。スピードスタッグが早くなかなか捕まえれないでいるライシックを助けるために次来る攻撃を計算した。
享「次!右からきます‼︎」
ライシックはその言葉を信じて体を右に向けスピードスタッグを捕まえた。それと同時に享は任務によりスキル 未来予知 を入手していた。いつのまにか倒されたスピードスタッグを騎士たちが解体している。
ライシック「ナイスでした。今のがなかったら全滅していたかもしれません。」
享「お役に立てたようで何よりです。」
その後ライシックが宝箱を持ってきてくれていた。
ライシック「今回のMVPは享さんですのでどうぞ、受け取ってください。」
享は言われるがまま宝箱を受け取り中身を確認した。
中に入っていたのは巻物であった。
享「これはなんですかね?」
ライシック「これはスキル取得書と言って開けると今攻略したものと同等の価値のスキルを入手できる優れものです。」
享は早速開けるとスキル 空間支配 を手に入れた。
享(これは便利だぞ。)
空間支配を手に入れたことで物を無限に収納できるようになった。
その後ペスニス王国の騎士寮に行き、別れを告げた後享は更なるスキル入手のため魔物の溜まり場を次々と破壊し、宝物を手に入れる。これを夜が明けるまで繰り返し、
今は宿屋でスキル 統合・分離を使いスキルをまとめていた。
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享が所持しているスキル一覧
ユニーク 任務
ユニーク 自然操作
炎、氷、雷操作と入手した土操作、風操作を統合してできた物
現状震度4程度の地震や風速40mの風を出す、小規模の土砂崩れ、火災、50cmほどの冠水を引き起こせる
ユニーク 千毒万病
毒操作と病操作を統合してできた物
症状を知っている毒や病を引き起こせる
ユニーク 時空操作
時間操作と空間支配、空間操作、次元扉を統合してできた物
1分まで時を戻すまたは未来を見ることができる
空間を直接移動できる
別世界に移動できる
物を時間経過をせずに無限に保存できる。
ユニーク 霊魂操作
霊操作、魂操作を統合してできた物
殺した生物の魂を所持し、それを霊として戦わせることができる
また、魂を一定の数消費することによって自分が負った傷や味方の負傷を回復できる(だいたいCランクの魂100個で指の切断を回復できる)
アンコモン 身体増強
筋力増強、鋼装甲、高速疾走を統合してできた物
身体能力を3倍まで引き上げれる
動体視力、反射能力を上昇できる
アンコモン 感覚増強
感覚強化、魔力感知、危機察知、気配察知を統合してできた物
5感の機能を上昇できる
自分を中心とした半径30mの魔力、危険、気配を正確に感知できる
スキルのレベルを
コモン
アンコモン
レア
ユニーク
アルティメット
に分けます
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享が所持している魂の数
Cランク 1001個
Bランク 627個
Aランク 257個
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