第2話 不可解な出現

高校に入り、僕達はそれぞれ好きな部活に入った。だけど、僕らは趣味まで同じなのか写真部でまた全員集まっていた。

「みんなも写真部に入ったんだ」

「そうだよ〜みんな写真好きなの?」

僕は単に写真部の写真が綺麗だからと言う理由で入ったがみんなが入った理由も少し気になっていた

「真は、どうして入ったんだ?」

「俺は、ただ単に写真撮ってみたかったからだけど、そう言う隆矢は何で入ったんだよ」

「俺は、虫とか生物の写真が好きで写真部だったら、それを撮ってる人の見せてもらえるからだな。」

「へ〜…あ、加奈達はなんで入ったんだよ」

「私は、何となくかな〜でも、加奈はちゃんと理由があるんだって」

「え、そんな美波ちゃんやめてよ〜」

「で、加奈はどうして入ったんだよ?」

「あの〜言いにくいけど、カメラが欲しかったからなんだ…」

「みんな言い終わったし、まだ聞いてなかったよな〜?玄斗く〜ん?」

「やっぱり、僕も聞かれるんだね。」

「そうだよ、お前だけ言わないのはおかしいだろ?」

「わかったよ、笑うなよ?」

「わかった!笑わん!」

「はぁ、写真が綺麗だったから入ったんだよ」

「そんな理由ではいったの!?wクソ理由しょーもねぇじゃねぇか!w」

「ま、まぁ私もそんな感じの理由だからそんな笑わないであげて」

「はぁ、だから言いたくなかったんだよ」

「部活始まる前から災難だな、玄斗」

「ほんと、真もやめてあげなよ〜」

「美波、隆矢すまん、ありがとう」

朝から騒々しいがこうやって笑い合える日常がやっぱり僕は大好きだ。いつまでも、まではいかないと思うがこの日常が続いて欲しいとつくづく思っている。

「そうだ、明日から部活動始まるし、俺の家でカメラ持ってない奴にやるよ」

「いいの?真」

「いいってことよ。どんと来い!」

「ありがとね、真」

「たまには、いい事すんじゃん。ありがとな真」

「馬鹿にしてきたのは許さんがありがと、真」

「ん?お前ら全員持ってないの?」

「持ってないけど何かあるか?」

「玄斗と加奈と美波は理由がしょうもないから良いとして、隆矢はどうして持ってねぇんだよ!」

「理由がしょうもないとはなんだ!しょうもないとは!」

「うるせー!玄斗は黙ってな!」

「俺、カメラ買えないからな」

「媚びろや!」

「小遣いとかそう言うのないし、欲しいものは自分で勝ち取れって感じだから無理だな」

「…はぁ、わかったよ。放課後俺の家来い」

「やったぜ!」

そういって楽しく高校生活が始まった。でも、無料でカメラ貰えたから楽しいと無料で一石二鳥って感じだけど、真からしたらマイナスになっただろうな。

そして今日からは、1年生は部活動が始まる日だ。

「はい、写真部の部長をしています。3年1組高橋健太です。よろしく、こっちは」

「副部長の3年2組松吉浩人です。よろしく」

「私は、写真部の顧問を務める松田瀬名です。わからないことがあったら何でも聞いてくださいね。」

「じゃあ1年生は、組、名前、眼差しを順に言っていってくれ」

「それじゃあ、1年生は組、名前、眼差しを一人一人言っていってくれ。」

「1年1組四宮綾瀬です。えと、綺麗な写真をこれから撮っていきたいです!」

「1年1組片島智史です。楽しく過ごしていきたいです。」

「1年3組宮阪哲也です。えーと、先輩方と同じくらい写真を上手になります。」

「1年2組高山玄斗です。写真の事をもっと知ってこれからに役立てたいです。」

「1年2組敷島隆矢です。好きな物を撮っていきたいです。」

「1年2組末松加奈です。あ、えと、楽しく写真を撮りたいです。」

「1年3組天瀬真です。写真を此処でもっと上達させていきます!」

「1年3組五十嵐美波です。誰にも負けない写真を撮ります!」

「2年部の先輩達は…まず、あまり来ないから自己紹介できないかな〜」

「俺達は自己紹介すんの?部長〜」

「お前らは、とりまもう3年部は部活やめて受験勉強とか色々しないといけないし、やめようか」

「あ、健太めんどくなってはぶきやがった!」

「ま、まぁ松田先生がお前らの事も教えてくれるだろうからセーフセーフ!ね?松田先生?」

「受験勉強なんて、やらない癖に…わかった。機器の使い方とかは教えておくから、早く帰って受験勉強するのよ。」

「やったぜ!お前ら帰るぞ〜!」

「やる気のない部長だことw飯食ってかえろーぜ〜」

何と言うか3年生も2年生も部活に関してはあまり積極的にしていないらしい。

「あれが、俺達の先輩なの?」

「真、わかるけど、それが事実だよ」

「ちょっと、よくわかんなかったよね」

「加奈の言ってる事なんとなくわかる〜!部長ってだけでやる気自体はない感じ」

「まぁ、許してあげようよ。もしかしたら帰る時に写真撮ってるかもしれないし。」

「玄斗は優しいのぉ俺は、あぁ言うのに本気でできてない奴嫌いだからぜってぇ許せんわ」

「ほんとに真は写真が好きなんだね。」

「おうよ!」

入部したての僕達は先輩達が何故あんなにだらしなく、面倒くさそうにしているのかわからなかったが恐らく自分達が2年生にわかるのかと少し僕は思っていた。そうして、僕達が部活に入って数ヶ月が経った。

「飽きた。」

「うん、此処らへん良いものないから飽きたね。」

「わかるぅ〜、色んなもの撮ってみたけど初心者の私達だと見栄え悪くて飽きてきた〜」

「そうだね、真とかは上手そうだけど、どうなの?」

「ふっふっふ〜俺はお前らみたいに下手じゃないからな見栄えはすげぇいいぜ!」

「やっぱ真上手いね。僕達とは大違いだよ」

「ま、見栄え良いだけでもう何撮るか思いつかなくなったけどな!」

大体4、5ヶ月くらいで飽きが出てしまったのだ。

「しっかし、いざ入ってみると暇なんだと今すげぇ実感するな。」

「真の言う通りだね。俺も最初はわちゃわちゃして楽しかったけど、撮ろうとしたら逃げられたりして色んな事あったから嫌になってきたよ。」

「私達も〜最初は加奈とスイーツとか食べ物撮ってたけど段々この地域で良さげな物なくなってきちゃってふっつーに遊んでるわ」

「そうだね。その所為でお金がなくなりそうだけどね。」

「う、そうだった。」

「僕は、適当に撮ってきてたからすぐに飽きちゃったな。段々撮る気がなくなってきて。」

こんな、話をしつつ部活を続けてようやく自分達が2年生になった時だ

「2年が、来ない理由わかってしまったな。」

「そだね〜」

「暇だし、もう部活サボって遊んでた方が楽しいしね」

「もう私達、カメラだけ持ってただ遊んでるだけだけど大丈夫だよね?」

「加奈、大丈夫だよ。去年の2年と同じ結末になっただけだから。」

「それ結局駄目なんじゃ?」

「ま、まぁ細かいことは置いといて僕達もそろっと少しは写真撮らないとね。」

「玄斗、明日!明日やろうぜ!もう今日はゲーセンで夜まで遊ぶぞ!」

「真が、一番写真好きなのにどうしてこうなったんだ…」

「隆矢、いっても無駄だよ。あぁなったら私らも付き合うしかないし。」

そう言って真が言ったように夜まで遊んだ。そして、大体20時くらいになってその帰りだった。

「明日、何撮ろうか?」

「雑草とか、花とかは?」

「加奈めちゃ良い事言うじゃん!明日は各自花とか撮ろぉよ!」

「まぁ、それくらいしか撮れそうなものないよなぁ。」

「諦めてそうするか。」

そうして、明日の事を言いながら話して帰っていたら。

「は?」

「真、どうしたんだ?」

「まさか、トイレ行きたくなったの?」

「いや、あそこに家あったったけ?」

「あの日から、数年経ってるんだから気付かないうちに建ってたんだろ。」

「で、でもあの家見覚えがあるような、気がしない?」

「ほんとだ!加奈の言う通りあの時の家そっくりじゃん!」

「なんで、あるんだろ?僕達が知らない間にあっても、あんな速くできないよね」

そういって、あの事件が起きた時の家を見つめながら話し合っていた時真が言い出した。

「ホラー映画とかのテンプレみたいな事言うけどさ、あの家に入ってみないか?」

「は?何言ってんの?」

「頭でも狂った?」

「だから、テンプレみたいな事言うって言ったんだろ!」

「でも、わからないうちはやめた方が」

「そうだよ、万が一何かあったらやめた方が。」

そうホラー映画で、不気味な家があったら取り敢えず入ってみようの精神で真が言った言葉はみんなを驚かせていた。

「わかった!行きたくない奴は来なくて良いから!」

「真、行ってらっしゃい」

「ご武運を」

「俺だけかよ!わかった!男子軍は強制な!」

「僕は、嫌な気がするから行きたくないんだけど…」

「玄斗は、頭いいし隆矢は頭柔らかいしこう言う系詳しそうだから来い!」

「はぁ、行かない言っても引っ張って連れて行かれるし、わかったよ。」

「じゃ、じゃあ私も行く!だってこんな真夜中に女の子2人は怖いし!」

「ちょ、ちょっと美波ちゃん、やめとこうよ。」

「じゃあ、加奈はやめとく?」

「わ、わかったよ、行くよ。」

「加奈はやめといた方がいいんじゃ。」

「私も、1人怖いから行くよ。」

「じゃあ!テンプレみたいにあの家いくぞー!」

そう言って僕達は不気味な程静かな夜にあの事件に消えた家に近づいて行った。

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