読み終えた後、心にジーンと来る素敵なストーリーでした。
主人公(声をかけられる対象)が引っ越した部屋には、幽霊が住んでいた。
しかしその幽霊は、主人公がひそかに推しとしていたアイドルの「めろんちゃん」だとわかる。
めろんちゃんは自分のことが見える主人公と一緒に暮らし、アイドルをしていた時の苦悩とか、普通の女の子としての感慨などを語ってくれるようになります。
めろんちゃんのファンで、めろんちゃんのためならいくらでも頑張れる主人公。そんな姿にめろんちゃんもどんどん心を動かされていく。
アイドルとして、普通の女の子として、それでも幽霊として傍にいる。
この語りがなんとも可愛らしい。でもその一方でとても切ない。
幽霊との恋愛。こんなのもう、切ないラストが待ってるに決まってるじゃないか! と、徐々に近づいてくる「終わりの時」を予感しつつ、読者はめろんちゃんの言葉に聞き入ることになっていきます。
そして迎えたラスト。めろんちゃんが最後までとても健気で、同じく主人公もすごく誠実で、この二人には幸せになって欲しい、と強く願うようになっていきます。
読み終えた後は胸がいっぱいになりました。良いものを読ませていただいた、とひたすら満たされた気持ちになっています。
ドラマCDなどの音声作品を意識した脚本形式で紡がれるストーリー。
内容はタイトル通りだが、単なるラブコメかと思いきや予想以上に切ない。アイドルが幽霊になってしまった理由も悲しい。ただ、最後に救いは残されている。軽い気持ちで読むといい意味で期待を裏切られるし、最後まで読み終わって「今度こそ幸せになって欲しい」と切に願ってしまう。
アイドルを推していたファンであり、幽霊になった彼女を唯一視ることができた『君』が救ってくれたからこそ、この結末になったのだと思うと込み上げてくるものがある。
切なくて温かい、この物語を是非あなたにも読んでみてほしい。