第26話
一方、商業通りの裏にある薄暗い一本の道をネモネアは歩いていた。そこは小さなテントが建っていたり、地べたに品を置いて叩き売りしてる者も居た。ネモネアはそんな物を気にも止めず歩く。そして、ネモネアがある店の前に止まりその扉を開けると扉に付いていた鈴がなった。
中は、意外にも小綺麗で置いてある品物も高級感があり如何にも金持ちが買うような物ばかりだった。店員が“いらっしゃいませ”と言いネモネアに近づこうとした時、ネモネアは“奥の部屋を借りたい。”とたった一言答えた。
「!!は、はい。え~と……では、こちらの書類にご記入をお願いいたします。」
と店員が言いかけた時、ネモネアは振り返り喋る。
「ハイハイ、ほほいのほいっと...これでいいだろ?」
「あ、はい。では、ごゆっくりどうぞ。」
ネモネアは店員が書類を記入している間、店の奥に入り奥の部屋の扉を開けた。そこは薄暗くて小さな小部屋だったが、その部屋にはテーブルと椅子が置いてありそのテーブルの前には一人の女性が座っていた。ネモネアはその女性の向かいに座った。
「やぁやぁ、久しぶりじゃないか?ネモネアよ。」
「あぁ……久しぶりだな……ルドベギアさん……。」
ルドベギアと呼ばれた女性はそう答えた後立ち上がり部屋のカーテンを閉めた。
「それで、何用かな?」
「あぁ……実はな……。」
ネモネアはルドベギアと少し会話をした後、一段落付いてお茶を嗜んでいた。
「それで……他の奴らは元気か?妹さんは?」
とルドベギアが聞くと、ネモネアはお茶を飲み“あぁ、元気だ”と言った。
「そうか……それは良かった。」
と、ルドベギアは安心したように言った後またお茶を飲んだ。
「しかし……まさかお前らが新入りをいれるとはなぁ……養う余裕とか合ったのか?」
とルドベギアはしみじみ言った。ネモネアも“あぁ”と言いお茶を飲んだ。
「金が無ぇからこそだよ。人手が多い方が稼げるのさ....。それに....」
「それに?」
ルドベギアが聞き返すとネモネアはカップをテーブルの上に置いた。
「…いや、いいんだ。湿っぽい話しはナシナシ!お茶あんがとさん!じゃあな!」
「あぁ....また来るといい。」
ネモネアは“あいよ”と言い店から出て行った。ルドベギアはそれを見届けたあとカーテンを開けて外を見た。外は日が落ちかけていて、少し肌寒かった。そして、ルドべギアは呟いた……
「ふむ...新しい風か吹いてきたか....」
――――――――――――裏通りを出たネモネアは賑わっている商業通りを通っていた。その時に、こちらに走ってくる青年が来た。
その青年はよく見ると見覚えのある黒いローブの中に青い制服を着ていた。
「あ、アイツは....まさか....!」
ネモネアはそう呟き、青年が来るのを待った。そして青年は息を切らしながらネモネアの前に来た。
「……ハァ……ハァ……あ、あの!すみません!」
「お、おう.....」
と、ネモネアが言うと青年ははい!と言いネモネアに一枚の紙を渡した。その紙にはこう書いてあった。
“ネモネア会長、早急に帰還すべし”
「……やはり来たか....思ったより早かったな...。」
「もう“学園”も皆大騒ぎです....!早くご帰還を!」
と、青年は言いネモネアを急がせた。ネモネアも頷き、“わかった、すぐ帰る。”と言って商業通りから出ようとした時、ネモネアはズボンのポケットから小さな石を取り出した。そしてその石に向かって小声でボソボソと呟いた。その石は通信魔法が掛かっており、遠くでの会話が可能なのだ。その石でネモネアはラクザンカ達を呼んだ。ラクザンカ達はネモネアに呼ばれ、噴水広場前に集まった。
「おいおいネモネア、何だよ突然集まれって?好きに遊ぶって言ったのはそっちじゃねぇか」
「ネモネアさん、一体何かあったんですか?」
ラクザンカ達はネモネアに集まってからすぐ聞いた。すると、ネモネアは持っていた小さな紙を見せた。
「なんですか?その紙……」
とユリが言うと、シュンランは何かわかったように呟いた。
「その証印....お主の学舎の所じゃな?」
「そう……実はな、とても面倒な事になったんだ。」
とネモネアは言いラクザンカ達は“え?”と言った。そして、ネモネアは紙の内容を見せた。その紙に書いてあった内容はこうだった。
『ネモネア会長へ、至急学園に戻るように。』と書かれていたのだ。それを見たシュンランは“なるほど”と言いミザァも納得したように言った。
「つまり....また学園から呼び出しを食らったのですね?」
「……あぁ……その通りだ……。」
とネモネアは言いラクザンカは“え”と驚いた。
「が、学園?ネモネア、お前学校通ってたのか?」
「ん?あぁ、言ってなかったな.....。まぁそんな訳で、明日行こうぜ。アタイの通ってる魔法学園....【アドニス】へ」
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