友人に思ったこと

munikisu

友人をすこし嫌いになった話です。


 高校一年のとき入学式の次の次の日の昼休みに話しかけてくれて仲良くなった子です。中学の知り合いは他クラスにいってしまい私はひとりでした。孤独というのは本人の感じ方で城にも牢にもなるので、私は城だと思うことにしましたが、許されなかったので二人で昼食を食べました。春の桜はすでに散った昼休みでした。

 なんやかんやが長いのは周知の事実ですが、それから体育の二人組や遠足での班行動を共にするうちに私たちは友だちというものになっていきました。クラス替えがなかったので、二年生になっても同じクラス、同じ人が集まる教室の毎日でした。


 肌赤くなってるよって。たった、それだけ、だったんですけど、私にはそれが、その言葉が、友人と居て初めて不快だと思いました。友人はすぐに直せない他人の欠点を指摘する人間でした。見習いたい言葉遣い、お手本のような箸の持ち方、計画性のあるテスト結果。本当に嫌う要素がない人間だったんです。

 本当に小さな欠点を見つけたので私はそれを嫌悪することにしました。そして完璧な理想の人間ではなかったと安堵した私を憎悪しました。

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