ディラン魔法学院の序列1位〜学園最強はのんべんだらりと過ごしたい〜

nao

プロローグ




小さい頃から僕は周りから神童だの天才だの言われてきた。


魔法も勉強も同世代の子の誰よりも出来た。家庭教師から教わることもすぐになくなって、僕は暇を持て余した。


なんだかとてもつまらない。この世界はとても簡単で僕はもう頑張らずとも上手くやれると自惚れていた。そんな思いがずっと続いていた。


なんとなく僕の気持ちを察した両親はある日、この国1番の魔法使いに会わせてくれた。

上には上がいると教えたかったのだろう。

魔法使いは自分しか扱えないという魔法を僕に見せてくれた。

とても高度な魔法で、とても美しかったのを覚えている。


「僕もそれ、覚えたい!」


ワクワクした。

その魔法がとてつもなく難しいのは分かったが自分も扱えるようになりたいという気持ちが抑えきれなかった。


ただ、魔法使いにねだったのだが教える気はなかったようで突き放された。


『諦めろ。この魔法は選ばれた者にしか扱えない魔法だ。お前には絶対に無理だ』


冷たく言われたが、僕はそこで諦めるのではなくやる気を出した。

あの魔法を習得するために自分だけで試行錯誤する日々を送った。

そして僕は数ヶ月でその魔法を使えるようになった。

一応、手本を見せてくれた魔法使いに完成した魔法を見せ、礼を言いに行く。


「ありがとう。良いものを見せてくれて」


何故だか国1番の魔法使いは信じていたものが崩れたような絶望した表情をして項垂れていたが、浮かれていた僕は気にせずその場を後にした。


それから僕は珍しい魔法を探すようになった。まだまだこの世界には僕の想像もつかない魔法があるのかもしれない。見てみたいし、使ってみたい。


つまらないと思っていたこの世界はそんな事はなく、とても面白いのかもしれない。

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