第37話:shadow attacks vs Brave Death Gaming

 shadow attacksシャドウ・アタックスの控え室では、重影 翔や安楽岡 剛を含めた5人のメンバーがモニター前に集まり、前の試合を観戦していた。


「やっと俺たちの出番だな」

「そうだな。てか次勝ったらあれと当たるのか」


 控え室のモニターにはステージ上に戻ってきた超神威のメンバーたちが映っている。


(1級異能力者の氷使いであり、攻守共に高い実力を持つリーダー、冬海 氷河。

『北の死神』の異名で恐れられている北大陸最強の後衛バックアタッカー、根藤 滝生。

 強力な念動系異能力で一定距離内の相手を瞬殺可能な『前衛殺し』の中島 塔也。

 3級のレベルを超越したスピードと貫通力を誇る最年少エース、冬海 凍次。

 万能で凶悪な降雪能力が持ち味の新しい支援サポーター、佐呂間 雪。そして……)


「碧様……美しい」


 白金のファンである闇沢 千里が呟く。


 モニターには超神威の副長である白金 碧が映り、カメラに笑顔を向けている。


「次は流石に出てくるかな」

「さあな。普通に考えて支援1枚の編成だろうから入れ替えてくるなら佐呂間だと思うけど」


 ここで、次の試合の開始時間が迫っていることに気付く。


「そろそろ時間だな」







 10分後、重影たちと対戦チームのメンバーたちはフィールドに転送され、ステージ上のモニターに両チームの参加者が映し出される。


「試合開始まで60秒、ここで対戦する2チームの成績を見ていきましょう。まずは第四大陸代表、shadow attacksシャドウ・アタックスから」


 ここで、中央のモニターにshadow attacksの予選での戦績が表示された。


shadow attacks(殺害人数 / 死亡回数、階級)

・重影 翔(14 / 1、3級)

・安楽岡 剛(18 / 2、3級)

・霊泉 葵(7 / 2 、3級)

・裂山 風花(21 / 4、3級)

・闇沢 千里(0 / 1、4級)

・ーーーーー



「遂に出てきましたUNDEAD CHAMPSのかたき。第四大陸の強豪を軒並み倒して勝ち上がってきた新設クラン。音黒的にはどうですか? やっぱり強かった?」

「負けといて何ですが強いかと言われると微妙なところではありますが、もう、見てくださいとしか言えないですね」

「なるほど。ちなみに3級以下のメンバーのみで構成されたチームがグランドファイナルに進出するのは史上2チーム目でかなり珍しいとのこと。謎に包まれた新鋭はどのような戦いを見せてくれるのでしょうか。続いて北大陸代表、Brave Death Gamingブレイヴ・デス・ゲーミングの成績を見ていきましょう」


 次にBrave Death Gamingの予選での戦績が表示された。



Brave Death Gaming(殺害人数 / 死亡回数、階級)

・錠転 緑郎(20 / 1、2級)

・先島 京矢(7 / 3、2級)

・津煙 朱音(18 / 1、3級)

・遠藤 多々良(5 / 4、3級)

・関源 新一(4 / 2、3級)

・楠木 名子(1 / 1、3級)(控え)



「こちらも初のグランドファイナル進出となるBrave Death Gaming、最注目は新規加入の津煙つえん 朱音あかねでしょうか」

「そうですね。去年まではForest Crusherフォレストクラッシャーとして活動していたクランがメンバー1人入れ替えてチーム名も変えてきたという感じで、こちらも新体制になってから情報が少ないので何をしてくるか分からない怖さがあります」

「準々決勝最後の試合は謎に包まれたチーム同士の対決となりました。開始まで10秒です!」


 モニターはフィールドに切り替わり、両チームの様子が映し出された。








「今ごろ実況者と音黒は俺たちのこと、UNDEAD CHAMPSを倒したダークホースとか言ってるんだろうな」

「確かに」


 開始地点である森に囲まれた草原で、重影たちは戦闘開始に備えていた。


「翔くん、円陣組もうよ」

「そういえばそんなこと言ってたな」


 霊泉 葵の提案で、shadow attacksは戦闘開始のときに円陣を組むことになっていた。


『5…4…3…2…1…』


 開始時間が迫る中、5人は円陣を組む。


「勝つぞ!」

「「おー!」」


『開始』


 闇沢は異能力「千里眼」を発動し、相手チームであるBraveの位置と状況を把握する。


「翔さん、」

「どうした?」


 早速、闇沢は500メートル離れた位置にBraveの5人を発見した。


「相手チームも円陣組んでます」

「そんなことだろうと思ったよ」

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