EP024:ガミュラズあやうし!

 メガロビア港の陥落──。


 ホームを失ったガミュラズは、帝国軍基地であるミクラに身をよせていた。


 ミクラ基地は、陸軍士官学校もあるような、帝国軍でも重要なきょてんだ。


 ガミュラズのパイロットであるジャンは、慣れない基地で、少し居心地を悪くかんじていた。


 ジャンは相棒ガミュラズを撫でる。


 アーケロン型で巨大なガミュラズ。


 だが、人間よりも遥かに巨大であるのに、人間を踏み潰すことなく、ゆっくりとパイロットを確認する。


 巨大FBであるからこそ、気にかける。


 ガミュラズは、人間の感情ではわからない表情をしている。


 そんなときだった。


「侵略者どもを誘いだせ」


 ガミュラズとジャンは命令を受けた。


 たった一機で敵に攻撃を仕掛けろと。


 囮だ。


 新帝国軍のスパイは、またたくまに、この格好の獲物の出撃を通報した。


 魅力的な餌なのだ。


 はたして………。


 たくさんのFB、センチネルジャガーがガミュラズに襲いかかる!だがガミュラズはサンダーネイルで敵を引き裂きながら進む。


 センチネルジャガーは優秀なFBだ。


 良い高速FBであるが、練度不足だ。


 楽器のようにキャノンを打ち鳴らすことはできても、戦いはできない。


 ジャンとガジュラスは、むざむざ飛びこんでくるセンチネルジャガーを血祭りにあげていく。


 そのときだ。


 空を赤い影がよぎる!


 完全に補足されているガミュラズは絶好の獲物だ。


 外人部隊の飛行型FBだ。


「まさかギュオスか!?コウモリめ!!」


 ジャンは厄介な敵をにらむ。


 怪鳥ギュオスがはげわしのように、ゆっくりとせんかいしている。


 空中をじざいに飛ぶギュオスは、ガミュラズの背中にまわってキックしていく。


 ギュオスの攻撃にガミュラズが揺らぐ。


 ガミュラズが振り返るころには、ヒッグス重力干渉翼を最大出力に、あっという間に空の上だ。


 そしてすぐさま黒い点、爆弾が落ちてくる。


 猛爆を受けるガミュラズがついに膝をつく。


 炎の向こうで何かが動く。


 敵の新型メカであるゾウ型エレファントスだ。


 エレファントス部隊が土煙をあげて突進する。


 狙いは──ガミュラズしかありえない!


 外人部隊FBの激しい攻撃の前に、ガミュラズは立ちあがることさえできない。


 外人部隊のすべてがガミュラズに集中しているのではないかとおもうほど熾烈だ。


 エレファントスの突撃の牙を受けて、ガミュラズはひっくりかえる。


 比較的薄い装甲の腹を目掛けて、ギュオスの空爆が集中する!


 爆発の連続にガミュラズは悲鳴。


 それでもガミュラズは逃げない。


 できるだけ敵を引きつける……それがガミュラズにたくされた命令であるからだ。


 攻撃で装甲をこぼしながら、ガミュラズは敵を引きつれる。


 どこへともなく戦いつづけるのであった。


 終わりのない戦いで力尽きるまで………。

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