EP010:絶対絶命!秘密宇宙兵器を死守せよ!
グランジラフの脅威拡大──。
反乱軍が手を焼く忍者部隊をおさえることには成功したが、忍者部隊が引きこんできたグランジラフにはいまだ対抗手段がなかった。
メガデウム部隊による落とし穴作戦。
カノンリウムの大部隊による砲撃戦。
ボアコンダ部隊での突撃の敢行……。
果ては、偽装部隊による破壊工作や、堰を破壊しての水没作戦も試したが、グランジラフを撃破したケースは存在しない。
反乱軍に帝国軍を上回る重火器を開発して量産する能力が無いから、格闘戦で負けているとグランジラフに勝ち目がないのだ。
そこで反乱軍司令部は新しい兵器をテストすることを決める。
いちはやくグランジラフの襲撃を察知するための目を空に置くという、まったく新しいコンセプトだ。
選ばれたのは──ガミュラズだ。
ガミュラズと同じサイズの超巨大ミサイルを四本も背負ったまったく新しい姿だ。
だが、このミサイルは武器ではない。
垂直にたてられたガミュラズ。
カウントダウンが終わる。
ロケットが激しく噴煙をあげ、炎とともに空へとかけのぼっていく。白煙を引きながら空の彼方へと吸い込まれて……遥か高い宇宙まで飛んだ。
賢い人々が想像しているとおりだ。
これは、宇宙ロケットだったのだ。
ガミュラズが分厚い大気を突破して、ブースタのロケットを分離する。
衛星軌道で微調整して『積荷』をおろす。
ガミュラズに搭載されたのは偵察衛星型のフルメタルビーストだ。
クラゲ型ブルーボトル──大量のセンサを備えた宙の目であり、宇宙から地上を直接偵察することができる。
反乱軍が他国で開発した画期的な兵器だ。
ガミュラズは、ブルーボトルを分離する。
反乱軍の偵察衛星は無事展開しつつある。
これで帝国軍の動きは丸見えだ。
一方で…………。
帝国軍はガミュラズ改造の情報を掴んでいた。
刺客が放たれた。
護衛のガミュラズのパイロットが、ブルーボトルが順調に動くことに胸を撫でおろす──警報が鳴った。
バカな。宇宙空間だぞ?
ガミュラズのセンサは敵をとらえていた。
間違いない……帝国軍だ。
あらわれたのは帝国軍の新型だ。
カモメ型シーガルファイターだ。
左右の翼がW字型で特徴的なシーガルファイターは、各部のスラスタの噴射と、ヘイグス重力干渉翼を器用に使い、急速に近づいている。
非武装、ではないようだ。
シーガルファイターの翼にはプラズマランスがぶら下がっている。発射された弾は命中の直前、あるいは直撃で崩壊して、プラズマ化した物質をとても高密度に噴射して槍のように貫く武器だ。
狙いはブルーボトルか!?
ガミュラズは、シーガルファイターとは比べ物にならない遅い加速ながら背中の甲羅……アーマーシェルで偵察衛星を守る。
シーガルファイターとブルーボトルの間に、ガミュラズが割り込む。これで少なくともブルーボトルに直撃はしない。
敵であるシーガルファイターを探す。
大気が無いせいで目は距離感が狂う。
とても遠くにいるのにくっきり見える。
シーガルファイターは、惑星に落ちるようにして軌道上を素早く動いてくる。
惑星は丸いので衛星軌道を真っ直ぐ飛んでいるようでいて落ちながら『加速して』近づいてくる!
戦況を左右する戦略兵器であるブルーボトルを破壊されるわけにはいかない!
ガミュラズはアーマーシェルを盾に、シーガルファイターと正面から対峙した。
プラズマランスがアーマーシェルに直撃してはまばしく輝く。その度に、アーマーシェルの溶けた一部が宇宙空間に飛び散った。
瞬間──二機は衝突する。
負けたのはシーガルファイターだ!
ガミュラズのアーマーシェルの体当たりを受けて、シーガルファイターはくるくるとまわりながら吹っ飛ばされた。
惑星の大気を落ちていき、燃えながら流星になる。
ブルーボトルの危機は過ぎた。
展開を完了したブルーボトルは、テンタクルセンサーを地上に向ける。
たくさんの情報をセンサでキャッチしたブルーボトルは、貴重な情報をガンダラクシャへと送信する。
帝国軍主力部隊が丸見えだ。
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