ワタシがあまりにも美しいから、ワタシはアシッドアタック を受けてしまった!

神石水亞宮類

第1話 ワタシがあまりにも美しいから、ワタシはアシッドアタック を受けてしまった!




“ワタシがあまりにも美しいから、ワタシはアシッドアタック を

受けてしまった!”



ワタシは街でも有名な、“美人で美しい世界一綺麗な美女”と重宝

されていた。

ワタシが街を歩けば? “男性達は皆、ワタシに気づくとこう言うの!”



【なんて美しんだ! ミゼリア、僕と結婚してください!】

【ミゼリア! 今度、俺とデートしないかい?】

【ミ、ミゼリア! 君はなんて美しいんだ!】

【君はキレイだ! ボクと一緒にならないかい?】

【君の美しさは、なんて罪なんだ!】

【君をぼくだけのモノにしたい!】



ワタシは女性に妬まれるほど、“美しい女性に成長していった。”

ワタシが14歳の時には、既に親が決めた許婚を見つけてきたわ。

でもワタシは、“自分が好きでもない男性とは結婚できたいと断ったの!”

さすがに両親も、ワタシのあまりにも美しい姿を気にして、ボディーガード

まで雇うようになったわ。

学校に行く時も、友達と遊びに行く時もボディーガードはいつもワタシと

行動を共にしたのよ。



・・・でも? 次第にボディーガードの彼もワタシにゾッコンになった。

それを知ったワタシの父親は、ボディーガードを直ぐにクビにしたの!

ワタシの美しさは、世界一罪だとワタシは父親に言われた事もあったわ。

それでもワタシは伸び伸びと成長して、18歳の時にワタシが好きな男性

と婚約をしたの!

あの時のワタシは、“とても幸せだったわ。”

ワタシの婚約相手は、“同級生の男の子で、本当にお互い好きだったの!”

だから彼と一緒に居るこの時がワタシにとって至福の時だった。

そんな彼と結婚できる喜びは、計り知れないものだったの!




でも? ワタシのそんな幸せを妬んでいた女性がある日、ワタシの

顔面に液体をかけ、ワタシの人生は一変したわ!


【キャー―――アアア!】


『・・・か、顔が熱い! 顔が燃えてるようだわ! 熱い! 誰か

救急車を呼んで! 顔が焼けてるみたい! か、顔が、顔が、、、。』

『ミゼリアが見知らぬ女に、液体のようなモノを顔にかけられた

みたいだ! 直ぐに病院に連れて行かないと、、、!』

『ミゼリア! 大丈夫か? 直ぐに病院に着くからな!』

『・・・ミ、ミゼリア、』

『・・・・・・な、なんて事を。』






  *






ワタシは病院に着くと、直ぐに麻酔をかけられそのまま眠ってしまった。

ワタシが病院のベットで目を覚めると? 顔にはグルグルに包帯が巻か

れていたわ。

ワタシは顔に凄く違和感を感じていたけど、看護婦さんには絶対に

一人で鏡を見ないようにと言われていたの。

包帯を勝手に取ると外からの菌で手術をし直さないといけなくなると、

看護婦さんから強く言われていたのよ。




・・・でも? なんだか顔がおかしい?

鼻の周りがウズウズ痒くてしかたなくなって、

それになんだか違和感を感じて、目も眼球がないような気がするし。

ひょっとしたら? ワタシはもう目が見えないじゃないかって心配に

なったの。

漠然とワタシはどうしようもない不安を感じていたわ。

ただワタシの担当医は、“包帯を取れる頃にはまた元通りに戻っているよ”

と言われていたから、ワタシは心配はあったけど少しホッとしていたの。



それに婚約者の彼も毎日、ワタシのお見舞いに来てくれていたしね。



『“なあミゼリア、君のその顔の包帯が取れたら、直ぐに結婚しよう。”』

『えぇ、勿論よ! ワタシも貴方と結婚したい!』

『ああ~なんて美しいミゼリア! オレの愛するミゼリア、愛おしいミゼリア。』

『“ねえ、どんなワタシも愛してくれる?”』

『勿論だよミゼリア! オレの心はいつも君のモノだ!』

『ダンディス! ワタシも愛してるわ!』





 

  *






包帯を巻いている間のワタシを彼はまだ愛してくれていたの。

でも? ワタシの包帯が取れると? “彼は一瞬で冷めたみたいで、”

あっけなくワタシから離れて行ってしまった。

ワタシも少しの間は、なかなか今の顔を受け入れられなかった。

“あんなに美しい顔は、ドロドロに溶けたみたいに、両目は失明し鼻も爛れ、

口も開いたまま閉じなくなったのよ。”

医師は、整形手術をすれば元にまた戻るとワタシにそう話したけど?

“ワタシはもうあの美しい顔には戻れないと悟ったわ!”

ワタシはバケモノになってしまったのよ。

ワタシは整形手術を断り、家に帰るとずっと引き籠ってしまった。

もう何処にも行きたくない!

誰にも会いたくない!

ワタシはバケモノだ! 

今まではワタシの美しさに男性達は皆、ワタシに振り返っていたけど?

今のワタシは、男性達が私を見て! “バケモノと言うわ!”

もうあの美しい顔はワタシにはない!

ワタシの顔を返して! こんな顔じゃもう外も歩けないじゃない!

なんでワタシなの? キレイな顔じゃなくてもいい!

“普通に生活が出来るように、せめてバケモノと呼ばれない顔にして

ほしい!”



ワタシは何度も何度も考えて、整形手術を受けることにしたわ。

でも? 1回だけじゃ普通にも戻らないみたいで......。

どれだけ手術を繰り返せば、“ワタシは普通の顔になれるの?”

ワタシのあの美しい顔にはもう戻れないなら、せめて普通の生活が

できる顔に戻して!

生活にしようがない、“普通の顔に私はなりたい。”

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ワタシがあまりにも美しいから、ワタシはアシッドアタック を受けてしまった! 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru

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