昨日の私とお別れを

猫になりたい

第1話


蝉の声が鳴り響く、目前にはテレビに映ったgame overの文字。


「あ゛〜!!!暑いし、このステージ全然クリアできない...」


そんなふうに文句を垂れていると、遠くから聞こえるインターホン。

私は気だるげな体を起こしながら玄関へ向かう。



「はいはーい、」


私が玄関へ行くと、そこには誰もいなく。先程よりも鮮明に聞こえる蝉の声だけがあった。


「ん〜?誰もいないじゃん...」


辺りを見渡してみると、郵便受けに一つの紙が入れてあるのが見えた。

私はなんだろうと思いながらその紙を見る。


「学校に来てください。」


たったそれだけが書かれた紙に私は混乱した。


紙には汗が一滴落ちる。そういえば今日の気温は30°超えてたっけな。

ずっとエアコンの下にいるから気づかなかったや。




確かに私は不登校だ、しかしいじめられたとか、たいそうな理由がある不登校ではなく、ただ単に学校に行きたくなくて行っていないのだ。


私には友達はいない、そもそも学校に行っていないのだからこんな紙を送ってくるやつが見当もつかない。


「うーん、とにかく学校に行くのはめんどくさいし無視でいいか。」


そんな紙を送られたところで私は学校に行くほど素直ではないので無視をすることにした。



私は自分の部屋に戻り、ゲームを再開する。






そんなこんなやって、夕飯も食べて寝るだけになった時、



ピンポーン



遠くから、昼に聞いたようなインターホンの音が聞こえてくる。

誰だろうと思っていると母が、


「いま手が離せないから出てくれるー?」


「わかったー」


私は面倒になりながらも返事をして、玄関へ向かう。


玄関のドアを開けると、またもや誰もいない。

これがデジャヴとういうやつか。



なんて思って、辺りを見渡すとやはり郵便受けに一つの紙があった


郵便受けから紙を取ってみてみると既視感のある文字の羅列だった。



「学校に来てください。か、夜にまで届けにくるって、相当執着心があるんだな...」



夜だというのに鳴り響く蝉の声、昼よりかはマシになったがそれでもじめじめと暑い夏の中、沈黙だけが続く。


私は家の中に入り、母の目の前に立つ。



「どうしたの?」


母はいつも優しい。今日だって私の好きなおかずを晩御飯に出してくれた。

だけど、大事なことを話すのはやっぱり怖い。


沈黙が続く、私の額から汗が流れてくる。

夏の暑さ、蝉の鳴き声、そんなのも気にならないくらいに緊張する



「お母さん、私明日学校行く。」



少しの沈黙が続く。

母は驚いたように目を開いて。



「無理しなくていいのよ、保健室登校にする?本当に大丈夫?」


そうを声をかけてくれる。



「大丈夫、私頑張ってみたい。」

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