あなただけのヒロインになりたい ~初恋の黒髪清楚な美少女の正体は憑依型の元天才子役だった~【ASMR】
kazuchi
ヒロイン① ボーイッシュなお隣の幼馴染 ~勇気を振り絞って告白~
本作は『第4回「G'sこえけん音声化短編コンテスト』ASMR部門投稿作品です。
コンテストの形式上、台本形式となっています。
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(場面設定 夜 海辺の別荘)
//SE 風鈴の音 遠くで波の音と海猫の鳴く声
「お兄ちゃん!!」//遠くから呼びかけ
//SE 門の開閉音 砂利の地面を踏みしめる足音が近づいてくる
「はぁはぁ……」//呼吸を整える
「
「嬉しいなぁ、お兄ちゃんと久しぶりに会えて」
「……そうだ、先に見せたい物があるの。ちょっと待っててね」
//SE バッグから何かを取り出す
「秘密基地の鍵だよ。……開けるのにコツがあったのをおぼえてる?」
「いつも私が
「物事には何でもコツがあるんだ。鍵を貸してごらん。って言いながら」//懐かしそうに
(彼女が接近)
//SE こちらの手に触れる音
//SE 風鈴 海辺の環境音フェードアウト
「ううん、教えてもらったのは鍵の件だけじゃない……」
「お兄ちゃんが私にかけてくれた言葉、忘れていないよ」
「泣いてばかりいると、涙と一緒に
「そう言って優しく頭を撫でてくれたよね。当時の私にはとても嬉しかったんだよ」
「不愛想な態度とは裏腹に、いつも私を励ましてくれた」
「コツがあるのは物事だけじゃなく、これからの生き方も同じだって。不器用だった私に教えてくれたのは、他でもないお兄ちゃんなんだ」//嬉しそうに
「……あのね、内緒にしてたけど、自分なりに生き方のコツをあみ出してみたの。あなたが突然、海外へ転居した後、とても寂しかったけど泣いてばかりいられないって」
「私なりにすっごく頑張ったんだよ!!」
「えへへっ、偉いでしょ」
「……うん、褒めてくれてありがとう。その生き方のコツは当時、私がやっていた仕事にも役にたったんだ」
「……」//お互いを見つめ合う
「ふうっ……」
「こうして話せるのが夢みたい」//しみじみと
「えっ!?」
「いま、私のことを、
「そのあだ名、お兄ちゃんがつけてくれたんだよね。……懐かしいなぁ」
//SE 風鈴の音 海辺の環境音フェードイン
「あなたの前だと素直になれるの。なみねじゃなく
「ねえ、お兄ちゃん、私の最初のお願い、聞いてくれますか?」//真剣な口調で
「……」しばしの沈黙
「良かったぁ、いきなりだから、お兄ちゃんに断られるかと覚悟していたんだ」
「じゃあ私のお願いを言うね」
「扉の鍵を開けて秘密基地に、しまい込んだままのタイムカプセルを一緒に探して欲しい……」
//SE 重なりあう手に力が込められる
「想い出が詰まったこの場所で大切な時間を過ごしたい……」
//SE 衣擦れ 鍵を手渡す音
「お兄ちゃんの笑顔を見たら、波音ね、気持ちを抑えきれそうもないな 。 ……言わないでおこうと思ったけど、過ごせる時間には限りがあるから、まず最初に伝えるね」
「だから真面目に聞いて欲しい」//思いつめた口調で
「……ちょっと待ってね。素のままの自分だと、とても面と向かって言えないから、私なりに編み出した、とっておきのコツを使って変身しちゃうね!!」
「子供の頃にやったごっこ遊びの延長みたいな感じだから。最初は驚くかもしれないけど、見守っていて欲しいの」
「……」//精神集中
「……はあっ、ふうっ、ボーイッシュなお隣さんの幼馴染になあれ」//深呼吸した後、自分に暗示をかける
「……よ~い、本番、はい」//小声で
//SE ※イメージ かちりと切り替わる音
「……憑依完了」
「……あれっ、
「兄貴、それで話なんだけど……」
「もたもたしてると夏休みがすぐに終わっちゃうといけないから。……いまのボクは、まばたきする間も惜しい気分なんだ。」
(なぜそんなに急ぐのか問いただす)
「……その
「なあ兄貴。これからボクの言うことを、絶対に笑わないって約束して欲しいんだ」
(突然のキャラ変に驚きつつ、了承する)
「うん、約束してくれてありがとう。ずっと兄貴には言えなかったんだけど。……今日は勇気を振り絞って、ボクの想いのすべてを告白するよ」
「すぅ……」//告白前の深呼吸
「小学生のころに秘密基地で遊んだ、おままごとのお嫁さん役とは違う。 ……ボクを、ごっこ遊びじゃなく兄貴の本当の彼女にして欲しいんだ」//耳もとで決意を込めてささやきかける
「……ボクと付き合ってください!!」
//SE お互いの身体が触れて服がこすれる音
「いいって言ってくれた!? ということは兄貴とボクは、今日から晴れて恋人同士なんだね。……やったぁ~!! 」
「最高の気分だよ、兄貴との夏休みが、このまま続けばいいのにな……」//喜んだ後で感傷的に
「あはは、兄貴、おかしいよね。何で嬉しいのに涙が出るのかな? ……男の子みたいな見た目と違って、ボクは結構涙もろいみたいだね」//泣き笑いの演技で感情を込めて
「兄貴の前だとボクは素直な女の子に戻れるんだね。自分でも意外な発見だ」
「……そろそろ時間だ。じゃあね、ボクの大好きな兄貴!!」//切ない中にも明るさを出す
//SE かちりと切り替わる音
「はあぁっ、お兄ちゃんの言葉が嬉しいな……」//元の彼女に戻る
「……私ね、かなり風変わりな女の子って、お兄ちゃんから驚かれるじゃないかって、心配していたんだ」
「えっ!? 突然の告白に驚いたけど、見たことのない波音の一面を知ることが出来て、とても新鮮だったって!! ……全部ひっくるめてかわいい君に夢中になったっていってくれるの!?」
「……」幸せな空気が流れる
「良かった……」//安堵のため息
「お兄ちゃんの前なら、いろんなヒロインを演じてあげる。これから楽しみにしてね!!」
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