第3話 騎士学園
入学試験後、会議室にて…
「フィオレという受験生、とんでも無いな。」
「筆記試験も満点、神武一刀流に関しても完璧な解答が書かれている。」
「さらに衝撃的なのは実技試験だ。」
「騎士団長を相手にあれだけ余裕を持って、涼しい顔で圧勝してみせるとは…」
「この者の首席合格に異論は無いな!」
翌日…
(さて、俺は合格できているだろうか。)
俺は合格発表を見るため、騎士学園に来ていた。
俺の結果は、あれ?無くないか?
「まさか、落ちた!?」
筆記試験でミスをしてしまったか?
それとも騎士団長を一瞬とはいえ気絶させちゃったから!?
よく見ると張り紙の上にもう一つ張り紙があった。
「特待生一覧?」
そこに俺の名前があった。
しかも首席…
そして数日後、入学式が行われた。
壇上には校長がいた。
白い髪をたなびかせる老戦士。
「諸君、入学おめでとう。君たちには高い実力がある。しかし、慢心はするな。入学生の中に、神が1人いる。」
おい、校長先生!?
「その神は騎士団長のオルヴァンに圧勝した、才能の塊みたいな者だ。皆もそれに追いつけるよう、精進したまえ!」
「はい!」
まあ、みんなの士気が上がるならいいか。
いいのか?
不思議な感覚のまま入学式を終え、俺たちは教室に向かった。
教室に入ると、先生の話があった。
「君たちの担任を務めさせてもらう、セリアだ。この学校のシステムについて説明する。」
この学校には序列戦が存在するらしい。
序列戦で勝利すれば上に上がれる。
例えば、第五席が第三席に勝利すれば、第五席の生徒は第三席に上がることができる。
一方で第三席は第四席に落ち、第四席は第五席に落ちるというものだ。
簡単に言えば、下剋上システム。
「フィオレ、君に序列戦を申し込む。」
いきなり来たよ。
仕掛けてきたのは第二席のマーズ・ディルファードだ。
セリア先生がひょこっと出て来る。
どうやら審判をしてくれるらしい。
「双方、準備はいいですか?」
「俺は大丈夫です。」
「僕も大丈夫です。」
「では、始め!」
次の瞬間、唸るような独特な太刀筋の剣が飛んでくる。
「これは、大蛇曲刀流か。」
大蛇曲刀流。変則的な太刀筋で攻撃を読みにくい。さらに、マーズは正確な太刀筋を持っている。ここまで正確で変則的な太刀筋は、前世でもなかなか見たことが無い。
「大蛇曲刀流・蛇曲絞殺」
俺を囲むようにして変則的な太刀筋が飛んでくる。
蛇曲絞殺は、大蛇曲刀流の奥義だ。
動き回って角度を変えながら変則的な太刀筋を飛ばしてくるという、厄介極まりない技。
俺は魔力で動体視力を極限まで強化する。
「神武一刀流・流水乱舞」
神武一刀流の防御技だ。
俺は全ての太刀筋を見切り、受け流した。
そして一瞬の隙を見てカウンターを仕掛ける。
「ガッッッ!!!」
マーズは反応しきれずに一撃を浴びた。
「勝者、フィオレ・イグニール!」
勝者の名が呼ばれた。
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