ヲタクに優し過ぎるギャルの話
タヌキング
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僕の名前は
まぁ、冗談はこれぐらいにしておいて、そんな僕は今日も今日とて教室でボッチ飯をかますわけだが、今回ばかりは勝手が違った。
「ウィーッス」
突然、隣の席の褐色肌の金髪ギャルが僕の机に自分の机をくっつけてきたのである。このギャルの名前は
ボッチがボッチと交流するのは高校生活において、生き残る為の非常手段だと思うのだが、それでもオタクとギャルなんて水と油、月とスッポンである。現実で交わる事の無い筈なのだが、何故かこのギャルは机をくっつけて来たのである。
「一緒に飯食おうぜ♪」
頭がフリーズ気味の僕をそっちのけで、椅子に座って弁当を食べ始める綺羅星さん。彼女が何のつもりでこんなことをしているか知らないが、ギャル女子が僕のパーソナルスペースにいとも簡単に侵入したのが怖くて仕方ない。
だがこんな時でも思春期の男の子というヤツは、エッチな事には敏感な様であり、僕は彼女のたわわに実った胸をチラッと見てしまった。胸元を大胆に開けてけしからん。全く最近の女子高生ときたら。
そんな風に思っていたのだが、どうやら綺羅星さんは僕の視線に気づいたらしく、ニヤリと笑った。
「胸のボタン、もう一個開けようか♪」
彼女のこの発言に僕の頭は沸騰寸前だった。本当に胸元のボタンを一つ開けようとする綺羅星さん。僕は慌ててそれを制止した。
「あ、あきまへん‼それはあきまへん‼」
断っておくが僕は関西人では無い、テンパり過ぎて大阪弁が出てしまっただけである。
「あはは♪何で関西弁♪勝ッチって面白いね♪」
「ま、勝ッチ?」
そんな、たまごっちみたいな呼び方されては親近感が湧いてしまうじゃないか、気まぐれだとしてもやり過ぎだ。ギャルとオタクは相容れぬ存在、それなのにこうもフレンドリーに接されては心をかき乱されてしまうではないか。
「ねぇねぇ♪今度から一緒にご飯食べようよ♪」
「えっ……それ本気で言ってます?」
「マジマジ♪お互いボッチ同士楽しくやろうよ♪はい、握手♪」
綺羅星さんが右手を差し出して来たので、僕は恐る恐るその手を取った。彼女の手の平の体温がじんわり伝わってきて、僕の心臓の音がドクンドクンと高鳴っていった。
「よし、これで私達はダチだから♪これから宜しく♪」
「あぁ、はい……宜しくお願いします」
流されるまま友達になってしまった僕だが、僕は知らなかった。
彼女が常軌を逸しているレベルでオタクに優しい女子だという事を。
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