もなかと拳で世界を救う?——少年の異世界譚
- ★★★ Excellent!!!
奴隷国家「やしま」で育った少年・威能命(みこと)。十年の修行を経て鎖を断ち、自由を掴む。辿り着いた猫人の島で出会った“もなか”は、甘く、そして村人たちにとっては希望の味だった。拳と魂で世界を変える、少年の異世界譚。
――ここからは第3章途中までのレビューです。
物語は小説というより台本のような構成で進みます。
「台本形式? じゃあ読むのやめようかな」と思った方、ちょっと待って。
これは作者さまが選び抜いた物語のかたちなんです。
映像と音を想起させる文体リズム、アニメーションのようなテンポ。
そして何より、書くことを全力で楽しんでいる気配がページの隅々から伝わってきます。
シナリオを読んだ後にアニメ動画を見る。動画の後、文章で追う。
お好きな方で。楽しみ方が広がる試みだなと思いました。
「ファソー・スピネル」――その名が指すものが、いつかすべて揃う瞬間を楽しみに、物語を追っています。