圭一
最近はコスパ・タイパというのが世の中のポイントらしい。流行りの音楽は昔と比べて分単位で短くなっている。映像作品もそうだ。若者は映画を倍速で見るという。
SNSで流行っているショート動画。短くてエンターテイメント性のある部分映像と、それに合わせた短くキャッチーなメロディ。
その方が収益化しやすいとか。ネット時代のビジネスの在り方か。
理解できないが、こういう世界で生きてる以上、流れについて行かなきゃならない。
短くてインパクトがある…
* * * * *
(コール)
「もしもし。 !? なんですか?いきなり怒鳴って… 俺ですよ。
そうですか。色々?
そうそう。新作はどうでしたか? 感想を聞きたくて。 …なんのことだって? 届いてませんか? カミソリ。
いちいち怒鳴らないで欲しいですね… 今はコスパ・タイパの時代じゃないですか。エンタメコンテンツは短く、それでいて楽しめなくちゃいけない。それで思いついたのがそれですよ。新時代のホラーです。
…それだけ怒ってる様子だと、怖かったみたいですね。
何通も? 送ったのは一通だけですよ。こんなこと何度もやってたらコスパもタイパもあったもんじゃない。 で、作品化についてなんですが…
もしもし?」
電話を切られてしまった。 ともかく試みとしては上手くいったわけだ。
この流れをつかんでおきたい。
もっと効率的に、効果的に… 短時間で強烈な恐怖をダイレクトに提供するにはどうしたらいいか。
カミソリよりもインパクトがあるものは?
身近じゃカッターナイフの刃か、包丁か…
…包丁?
そうか。何で思いつかなかったんだ。
これならもっと簡単だ。そこら辺で試せる。
事件になれば、宣伝にもなるだろう。
早速やってみよう
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