試作:現代的恐怖

Kei

隆弘


なんだ、これは…


中にはカミソリが入っていた。

編集部の私宛に届いた封筒。送り主の名前は書かれていない。


脅迫…?


話には聞いたことがあるが、こんな経験は初めてだ。

しかし思い返しても、人の恨みを買うようなことをした覚えはない。


その翌日、再びカミソリ入りの封筒が届いた。翌々日も、また。



ルルルルル



深夜、デスクの電話が鳴った。もう私しか残っていない。



「はい もしもし」





「もしもし?」



… … 



電話は切れた。



ルルルルル



再び電話が鳴った。



「…はい」



… …



「もしもし? おい、誰なんだ?」



… …



電話は切れた。



ジリリリリ



「いい加減にしろよ!


え? ああ、君か… 大声出して悪かった。ちょっと色々あってな。ところで何…

新作? 何のことだ?


なに?カミソリ?

君か…あんなもの送ってきたのは!


何が新時代のホラーだ。しかも何通も… 悪ふざけが過ぎるぞ!


なに?一通だけ?今更そんなつまらない嘘を…」



… … ・・・・・





電話が突然、切れた。


届いた封筒を弄る。

消印があるのは一つだけだった。




無言電話は内線…?

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