第8話 処理
「これ...どうしましょうか」
二人は皿の上の異物を見て困り果てていた。
「とりあえず食うか」
瑞稀は恐る恐る異物を口に運ぶ。
「どう...ですか?」
「...」
ヒュプシュは答えを速く知りたいといったように瑞稀を見つめた。
が、ヒュプシュは気づいてしまった。
「...」
瑞稀の意識がないことに!
・
ヒュプシュは瑞稀をベッドに運んだ後、考えていた。
使用人という名目で傍に置いておく事はできたけど、家事がこの体たらくではどうしたものか。
役に立たない使用人を雇い続けていてはおかしい。
なにか...なにかいい方法がないだろうか。
しばらく考えた後、ヒュプシュは一つの答えにたどり着いた。
・
瑞稀はふかふかのベッドの上で目覚めた。
「おはようございます」
「これは...事後か!」
「やめてください」
「すいません」
瑞稀にはしばらくの記憶がなかった。
「この状況はなんだ?俺がベッドで寝ていて、ヒュプシュはそれを見ている」
「いいことを思いついたので。外へ行きます。準備ができたら教えてください」
そういってヒュプシュは部屋の外に出ていった。
・
ヒュプシュと瑞稀は都市部に向かっていた。
人々は慌ただしく駆け回り、なんだか騒がしい。
「この前来た時よりみんな忙しそうだな。なにか知ってるか?」
「私もよく知りませんが...大きな祭りがあるようです」
二人のすぐ横を仮面を着けたドレスの女性が通り過ぎていった。
しばらく歩いた後...
「ここで待っていてください」
ヒュプシュはそう言って何かの建物の中に入っていった。
10分後、ヒュプシュは出てきて言う。
「行きますよ」
・
街の外縁部に向かって歩きながら説明を聞いていた。
「瑞稀さんには闘っていただきます。相手は銀狼。少々大きな狼です」
「俺...闘ったことなんてないけど...」
「大丈夫です。私が見ていますから」
瑞稀は不安を感じていた。
ヒュプシュは期待で胸がいっぱいだった。
しかしヒュプシュの胸の片隅には、不安の断片が芽生え始めていた。
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