「大雨冠水注意」
前に部屋借りてたアパートの近くに変な道があったんです。
天井の低いトンネルを抜けてく道で、上には線路もあって。街灯も無いから夜なんかは真っ暗になるようなThe・辺鄙な道。
まぁ別に見た感じだとなんの変哲もない至って普通の、まぁちょっと狭いなーってくらいしか感じないようなつまんない道に見えるんです。
でも歩いてみると、なんかこう違うんですよ。
普段歩いてる道とは何かが違う。
空気がこう、粘っこいというか纏わりつく感覚があるような気がしてくるんです。
そこ通ろうとする人は皆途中で立ち止まって暫く立ち尽くして嫌な顔しながら引き返して別の道を探すんですよ。僕もそうでした。
本当にこればっかりは行ってみないと分からないだろうなぁ(笑)
まぁそれだけならただ変な道があるってだけの話なんですけど、俺がここをマジで通れなくなったきっかけがあって。
夜中バイト終わって家まで帰る時に、この道通ったんです。困った時にここ通るとめっちゃ近道なんですよね。嫌な事に(笑)
まっすぐ歩いていくと、『大雨冠水注意』の標識があるんですよ。黄色と黒のビックリマークのやつが。
まぁ本当に、なんて事ない標識。
だと思ったんですけど。
本当に見なきゃ良かったんですけど。
何気なく標識を見ちゃって。
最初訳分かんなかったんですけど、書いてある事が違ったんです。
『大雨冠水注意』の筈なんです。絶対に。
『くぼた たかみち さんに注意』
って書いてあって。
あっ。
って声出ちゃって。
ぐりん。
標識が俺の目掛けてひん曲がってきて。
ビックリマークの上の部分が男の生首になってて。
「よろしく伝えといて」
そう言われたところから記憶無くて。
その後即引っ越して、今までそこの近辺一切近付いてません(笑)
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