第3話 「曇る」


曇り硝子や

雨の道筋

透みたりて


内外に

総て見えざり

手も出せず

何ぞや抗へけるならば


然りとて

なすすべなしやの

看過の疵痕


雨の降る

たびたび

透けたり

ジクジクと


古傷いたみの

霧に紛れし

曇り硝子よ

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虹あさぎ @Niji_Asagi

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