ゾンビの転校生って需要ありますか?
な”蛾メ
第1話
「ふぅ。」
私は、その扉の前で、一呼吸ついていた。動いていない心臓の代わりに、若干荒い呼吸が、その様を物語っている。
転校初日、この特別な日に緊張するというのは、何も人間様の特権という訳ではないのだ。
そう、呼吸が荒くなっているのは、この扉の向こう側に、生きのいい獲物がたくさんいる・・・という理由ではない。
単純に緊張している。
私の知らない世界。
私の知らないクリーチャーたち(博士のことを、私は人間とはカウントしていない)。
もし心臓が動いていたら、きっと嬉しさと緊張で、張り裂けんばかりに脈打っていたことであろう。
笑顔を無理やり作ろうと、手を添えて、ほうれい線を伸ばすかのように引っ張る。若干顔の造形が崩れたのでやめた。
―よしっ!―
気合も十分。
一枚の扉を隔てた向こう側で、担任の先生が「今日は新しい仲間を紹介するけぇ。」としゃべっているのが聞こえる。
―博士、私きっと、あなたの望みを叶えて見せます!―
「入ってきなさい。」
私の手が、そのドアに触れて、力をこめる。
私の任務は・・・
―一般男性と、恋をすること‼―
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