記憶の記録ー受付中ー

水無月白雨

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いい人生だった。


布団の中、白い壁と白い天井。

彼の左手には一本の細いチューブ。

その先を辿れば、透明な液体が入ったパックがぶら下がっている。


彼の両脇では、涙を流し名前を呼ぶ妻とおじいちゃんと呼ぶ幼い孫。

孫の後ろには泣くのを我慢している娘がいる。


何不自由なくいい人生だった。


彼はゆっくりと意識を手放した。


ピー


機械音が響くなか、彼の人生は終わりを告げた。

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