第6話頂き

オープンカップから1週間経ったある日、伊藤もあんまりうちに直接話すこともなくなった。1周間ずっとなにもないままいつもの日々が経っていった。


カナタ あー、、、今日もつかれたな


今日は土曜日だが何もしないでゲームやスマホの配信サービスを見ていた。それのほとんどがレースジャンルなのがうちのたのしみでみんなにとって最大の秘密なんだ。この時間を邪魔されたくない。そういつも思う。まるで静かな空間。大切にして生きたいとよく考える。

でも、ここにいるときだけが一番気楽に感じる。


配信サービスで見てたものはある大会の中央戦線のフォースドメイン[国道4号線コース]のコースの競り合いだった。映像には赤と黒のボンネットの86にアルピーヌや銀色のF8にヴァルハラやGTRR35が映っていた。


カナタ エーペックスカップか。ーーやってみようかな。

まずはこの福島の地方戦があるのかーー。

そして、少しだけ化け物が狂ったようにニヤリとカナタは顔を浮かべた。


カナタ 作るぞ、、、86伝説。

いや、、、創るぞ!!

歴史ある86の伝説を作ろう!


NA86チャレンジオープンカップで経験を積んで好成績を生んだカナタは、

全日本耐久クラブマンレースエーペックスカップに挑戦することに。


この大会はまだ発展途上でまだレースがされたことがないみたいだ。

さらには車種制限がなく、幅広いマシンが集まってきた。


サーキットには最新スーパーカーから国産コンパクト、そして伝統のスポーツカーに

古い歴史ある車も勢揃いの大会だ。


配信サービスで福島県安達市でその大会が行われることになった。

それに対してカナタは興奮してスマホから早速エントリーした。

実績なども必要事項などがあまりなかった。できたばかりの大会だからだろうか?

そう考えていたらスマホからバイブ音が鳴り響いた。


ブーブーッ......


メールが来てこのような文章が来た。

ーー腹切カナタさん。

エーペックスカップ出場権を手に入れました

記念すべき初戦は4月26日になります。


さらにそこでは他にも当選したメンバーを含めてスターティンググリッドも明らかにされた。初戦では予選レースなし。だれが最後尾スタートになるのかもなし。


そして、下にはこのようにグリッド配置が書いてあった。


1.クリスタ・ニールセン フェラーリ488GTS

2.伊藤翔太 スイフトスポーツ ZC33S

3.相川律 MRーS

4.樹里・オルティス

5.MRTAKA 本名不明 ブガッティ・ヴェイロン

6.菜園 宗一郎 ポルシェ911GT3

7.リナ・グレーシー Audi R8

8.腹切カナタ TOYOTA86


それを見た時伊藤から電話がかかってきた。


カナタ 伊藤、、、お前、、、!


伊藤 ああ、お前とついにバトルできるぞ!カナタ!!テレビにも出るぞ俺たち、、、、!あと、、お前には負けられない!....俺は、頂きを見たいんだ!その先のな、、、、!


カナタ ああ!4月26日は明日だな!待ってろよ!!!

俺も見てやるぜ!その頂き!!!


ここから先はエーペックスカップで86伝説の名を築きあげることをまだ誰も知らなかったーー。

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