第13話 発覚
湊防衛大臣にこれまでの経過を報告する。
「管と佐々部はいまだに交流があり、佐々部が偶々矢部総理にそっくりな男が四国の山奥にいる事を管に話した。そこで以前より首相になりたかった管は矢部が急遽いなくなれば、無派閥の自分でも総理になれる。そして今回の絵をかいた」
「おそらく、管の伝手で出向した佐々部は、内調のアジトを拠点として手下を集めた。狙撃犯は両親の宗教的な恨みを持つ斎藤を陰から煽って犯行に及ばせ、単独犯とすることに成功。そして後は田尾の登場というわけか」
「はい、憶測だけで証拠はありませんが」
「結果を見れば、間違いないだろう。引き続き調査をたのむ」
その翌日、青森新聞の地方記事に『40代と思われる男性、自殺未遂か』と40代の男が十和田湖で自殺。しかし釣りに来ていた男性に救助された。小さな記事だが、内調も情報本部も見逃さない。
さっそく調査員を派遣。弘前駐屯地までヘリコプターで飛んだ、情報本部の調査員がいち早く青森中央病院に入院している男を確保した。男は佐々部だった。
一週間後、元気を取り戻した佐々部を情報本部まで移送し、取り調べを始めた。佐々部は驚くほど素直に自供をした。なぜならば、佐々部は自殺では無く殺されかけたからである。管喜朗は官房長官時代の内調のOBを使って佐々部を殺害すれば、今回はすべて完結と考えたらしい。しかし佐々部が生き残ってしまった。
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