第4話 プロローグ…4

「誰かが、入れたとか?」

「盗んだの?」

「わかんない」

「名前は?何か書いてない?」

 アキの言葉に、カガりはその飾りを、手の上でころがす。

すると金属の根元に、何か文字が彫ってあるのが目に入る。

「あっ」

「なに?」

「ローマ字かなぁ?」

「えっ?」

アキはカガリの手から、その飾りを奪う。

そこにはローマ字で、RINNNEと彫ってある。

「リンネ?」

アキがゆっくりと読み上げると、

「なに?それって…名前?」

「さぁ?わかんないなぁ」

2人は顔を見合わせる。


 そもそも、リンネってなに?

「作った会社の名前とか?」

「そうかなぁ?」

どうもピンとこない。

さっきまで怖がっていたのを忘れて、アキとカガリはかわるがわる眺める。

「これって、あれじゃない?

 お坊さんが持つ杖の飾りみたいなヤツ?」

ふいに、カガリが叫ぶ。

「へっ?」

「ほら…テレビとかで…」

何かで見たお坊さんを、思い浮かべる。

「修行とか?」

「滝行?」

「お百度参りとか?」

「それ、違うんじゃない?」

アキは思わず、ケラケラと笑う。

「ショータに聞いてみる?

 何か知っているかもしれない…」

「そうね」

 他に何か、手がかりがないか…と、ツボの中をのぞき込んだり、

ツボをひっくり返したりするものの…

他にそれらしきものは、何も見つからない。

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