第二十一話「遊園地は町田の縮図」
「この前は助けていただいて……お礼に、どこか行きませんか?」
そう言って植村さんが差し出したチケットは、遊園地の入場券だった。
「い、行きますっ!!」
俺は二つ返事でOK。
そして休日、二人で駅前に集合して遊園地へ。
(デ、デート……!? これ、完全にデートじゃん……!)
*
観覧車、ジェットコースター、メリーゴーラウンド。
どれも緊張と楽しさが入り混じる時間。
だが——
「やっほー北山!」「また会ったね!」
「こっちもデートかよ? くっそ笑うわ〜!」
通路の先にモケ女三人組。
しかも手にはガンプラの紙袋。「ガンプラ展示コラボ目当てで来た」とのこと。
「え、え、え……なんで!?」
*
さらに向こうから。
「Silent Riot、今日ここでフリーライブなんです!」
ことね&彩葉&芽依がステージ衣装で手を振っている。
「推しが! 推しが目の前に!!」
俺の心臓は爆発寸前。
*
そして屋台コーナー。
「やっぱここのフランクフルトは町田最強だな!」
「いや綿あめだろ!」
橘姉妹まで現れ、わいわい騒いでいた。
*
極めつけに。
「兄ちゃん、また会ったな」「ウ゛ゥゥゥゥ……」
猫丸とべすがアイスを片手に通りかかる。
(なんで全員集合してんだよおおおお!!)
*
カオス極まりない遊園地。
俺の隣で植村さんは、少し困ったように笑っていた。
「……なんだか賑やかですね」
「す、すみません……俺、こういう……縁が多くて……」
「ふふっ、いいじゃないですか。みんな楽しそうで」
その笑顔を見た瞬間、周りの喧騒なんて全部どうでもよくなった。
(……やっぱり俺は、この人の隣がいい)
遊園地の喧騒の中で、そう思わずにはいられなかった。
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