白夜と極夜
taiyou-ikiru
第1話
白夜は白い吐息にまみれて日様の陰りは一片もない。霧に陰る日様の姿はチラッと見える。まるで白い。白夜。風で世界に蠢いて、雪を削り取る如くの白い強情で、危うく私も連れられるところでした。茶色の毛皮に守られて、悉く世界の雪雪崩に吹かれる純真に、一本の舵があります。辿られた先には白と言う犬がいます。
「おおい白。少し歩いたら休もうか。」
そう言うと白は理解したのかしていないのか手綱を引っ張り、さらに速くに走りました。手綱に引かれて、吹雪に充てられ、辿り着いた先は洞窟でした。微妙な温もりに下手に警戒しながら、白を休ませ、焚火を靡かせ、ただ吹雪嵐の欠落を待っていました。
幾分か休んだ後、そこは極夜でした。藍色に照らさる一本の木の端には雪が悲しく積もっていました。その雪が動揺して、下落したことを皮切りに白に声を掛け、また雪の最中に足を踏み入れるのでした。海の様な雪でした。雪明りはけったいな気怠い色に色を包ませて、永遠の常闇に姿を表していました。豪雪に積もる寒い山は下手に動くと崩壊しそうでした。その雪山の合間に広々と理路騒然と雪道に塞がっているのでした。常闇。常闇。雪は辛くに迸り、小山と谷が二つできました。その跡はいつか消失するたどたどしさの面影に雪が一つ積もりました。そこから少し歩いていると平面に出会いました。山も雪も在りませんでした。氷水が駆け出し、透明な紫が青に浸食され、景色に漠然と。平和がありました。平坦で、平坦で。水平線の先は崖であると思いました。そこまで氷は続いて、常闇に映し出される氷結は不覚にも美しいと思ってしまいました。氷水は存外固いのですね。こつこつと足靴に木霊する氷の音色にはまるで氷なのでした。氷結。そんな音色が表すこの景色は常闇。いつまでも常闇なのだと感じさせるほどの常闇に飲まれて。床氷に一つ座りました。この氷結の流れは深く、緑色の葉が一片欲しくなったので、今日はここで寝ることにしました。
朝起きると白夜でした。しずく形の洞窟に打ち上げられて、水が体に絡みついて、差し込む白橙が真ん中を岩に照らして、岩が淡く濁っていました。その岩模様を見ていると、光が影となりました。上辺に白が居たのでした。そうして上辺の軽い崖にひんやりと香る雪と岩に手を差し込み昇っと雪に森林が舞っていました。のどかに苛まれた木々の向こうに在る日様が木々を丁寧に揺らし、景色を錯乱させていました。まるで森林でした。薄雪に香る木々の生命観に絆されて、白の歩く方へ歩いていきました。ほのかな茶色っけに馴染んで、世界は茶色になりました。ふと、落ちる緑葉に注視すると、世界は緑黄色になりました。積もり雪は静かに彷徨うように、白へと着いていきました。穏やかに犯される風が前面を吹きました。季節は春なのでした。森林を漂って、緑化になった世界が私を幽かに照らすのでした。そうすると段々木々が縮小していきました。それを変に思い、後ろを確認するとまるで高さは変わらず同程度に変わって。自分が巨大になったのだと気が付きました。一歩一歩と歩くにつれて、世界の天井は近くなり、巨大に感じれた木々も小さい命に感じられました。一歩歩くだけで轟音が響きました。雲が目に霞んで、こそばゆしいや。そこを頂点に段々自分は小さく萎んでいきました。そうして元の身長に治ると、途端に疲れて、淡雪に倒れこみました。そうして眠気に似た寒気を感じていると。ふと壊れた森林を一つ想像して、その後頭から抜かれました。
海の上に居ました。気が付くと極夜でした。先ほどまでいた雪原には雪雪崩が舞い踊り、綺麗に終末でした。海の上は香る寒さに流れに揺れて、雪山が懐かしく感じられました。近づきたくって近づきたくって、足をぬかるみに気取られながら、必死にもがいて進んでいました。そして辿り着いた先には激突しました。無意味に圧縮された空間に脈打つ海が、飛沫が、雨に私の眼先に落ちえました。手で触っても足で蹴ってもまるでいないように壁がありました。そこにへたり込むと海は私を覆いました。けれども海は私を虜に流すなどしてなどくれませんでした。ただ変わらぬ私に壁は現実に突き付けて、海色は白く濁っていました。青白く寒々。自分を貫通して海は悉く意識外の壁に激突し、舞い散れました。
気が付くと深海に輝きが点在して、朧げな水中にまた朧いて光はゆらゆら揺れて、無くなるといけません。玲瓏に輝く水を醜く穢して、口から漏れ出す黴が浮中しました。とこやに輝く光は白夜でした。光の先にはけったいな街が存在していました。空中療養都市。そう思えるほど認識の都市色に酷似していました。常闇に刺すように混在する無数の光源。そこを目指して藻掻きました。水中の両翼が反応し胸に無情景色の重りを吊るされて重力が逆転したような心地でした。上下と下部。その境が見えなくって、とこやに輝く玲瓏を追いかける他ありませんでした。何れそうすると高速道路の一つに着きました。そこから見える高さの大群は異様な巨で、うすむらさき色に偏屈になっていました。それに高速道路を走りながら、他の道へと行ってみました。街中は街灯が明るく照らし、輝きの共感が行われていました。そのときふと自分の手から足から口から目から、藻と藻屑と黴が混とんに辺りの壁に擦り、ありました。
街角に黴色がこびりついていました。住民は行き詰った顔で、世界と私を一回見ました。玲瓏の風が一凛吹きました。巨は大群に群れを成し、水を循環させて、景色色は眩しく成していました。
極夜の空を歩いていました。細寒い空気が辺りにただ、、漂い、未来の味が口内へ無理くり入ってきました。極夜の空は藍色でした。藍色に
雪模様。
変列な雪模様な中に居ました。白夜でした。
雪模様を蹴り、蹴り、重厚な豪雪は中々上部に上がらず、微小な軌道を描いて、床雪に邂逅しました。醜く手を振りかざし、雪模様を穢して、
百夜に居ました。
極夜に居ました。
白夜と極夜
それを後悔せずにはいられないのでした。ああ、どうせならやり直したい。そう思う心の反芻は無駄でした。
白夜と極夜と 私と世界。
いいや私と私と私と私
さよなら白夜
さよなら極夜。
いづれまた会いましょう。
極夜と白夜に溺れて、白夜に輝いて、極夜に堕ちましょう。
白夜と極夜。
白夜と極夜 taiyou-ikiru @nihonnzinnnodareka
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