第9話

「ガン爺~!!」


「帳兄ぃ!あそぼ!」


ラボの扉を叩くと雫ちゃんが出て来た。


「また今度ね。それよりガン爺いる?」


「ちぇ~…パパならそこの床でねてる」


って、うお!足元におっさんの死体があるぞ!?


「ぼ、坊主か…頼まれたものは作った。勝手に持っていけ…」


ぐて…。力なく床に倒れ込んだ。多分徹夜で武器打ってたんだろうな…。ありがとうガン爺。


「帰ってきたら遊ぼうね雫ちゃん」


「うん!ばいば~い!」



「唯利さん素材はどうなりました?」


オークションに出していた素材がいくらで売れたのか少し気になる。


「それがですね…光輝なる果実の方が2000万、欠片の方が100万で買い取りになります!」


えぇ!滅茶苦茶高いやん…。そんなに高値が付くとは…。


「どちらも有名なコレクターの方が高値を付けたそうです」


やっぱコレクターからすると新しいアイテムとか素材は堪らないんだろうな。


それになんて言ったってレア度も高い。


「既に口座に入金されてますので…ご確認お願いしますねっ!」


うぅん可愛いなぁ。あどけなさが残るが、大人びた顔。その艶やかな黒髪は俺の眼を引き付けてやまない。それに…いや止めておこう。


「そういえば、”火山”に行くことになりました。数日戻ってこないんでそれだけよろしくお願いします」


「分かりました。気を付けてくださいね!”火山”は高難易度です。準備だけはしっかりと!」


「了解です!それじゃ行ってきます!」


笑顔で見送ってくれる。いやぁ俺の専属受付嬢が唯利さんで本当に良かった。”火山”をクリアすれば唯利さんの評価も上がるだろうし。


居ても立っても居られない!



「すげぇ…本当に桁が増えてる…」


自身の口座には先日まで20万程しかなかったが、今や4000万程の残高になっていた。


これでガン爺にもちゃんとお金が出せる。


と言うか光輝なる果実なんて腐る程あるからな…食べるのは不穏だし…困ったら売ろう。


それとガン爺に打ってもらった剣…どうなってるかな。


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【光輝なる】プラチナソード・・・光輝の欠片を用いて再び精錬されたプラチナソード。任意の属性魔力を流すことによりその属性に切り替わる。


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うお!!任意の属性!?それってつまりその属性の魔力さえあれば全属性を持たせることが出来るのか!?


属性の魔力と言うのは、火の魔法なら火属性の魔力っていう風に行使する魔法によって属性が違う。ただ、魔力は自分で変えられるから実質全属性を扱えるって事になる。


「最強じゃん…」


やっぱレア度が高いだけあって付属の効果が途轍もないな…。まだ見ぬ隠しフロアに思いを爆ぜてしまう。


「黄金郷みたいな隠しフロアもあるって事だもんな…やりたい事が増えていくばかりだ!」


こうしちゃ居られない。まだ見ぬ隠しフロアを追い求めて俺は進み続けるぞ!

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