第5話 隠しフロアⅢ
「スライムの次はトレントか」
トレントはボス部屋に居た奴と違い、少しサイズアップしてるみたいだ。
取り敢えず鑑定だな。
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光輝なるトレント lv450 彼の王に至る道に出現するトレント。
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ま、そのままだな。ただ、スライムよりレベルが100も高い。
どうしてだろう、負ける気が全くしない。
先手必勝。確定クリティカルを食らうがいい。
「ぶった切れ!!」
「”カ”カ”カ”」
硬い…。クリティカルが出た筈だが…。全く攻撃が通用していない様に見える。クリティカルは防御無視攻撃だ。ダメージを与えていない訳は無いんだが…。どういう事だ?
思い出せ…ボスのトレントを。あいつは足が弱点だった。足を切り落とせばどうとでもなる。
「足だな…」
動きが鈍い光輝なるトレント。攻撃を喰らうことは無い。
「弱点はそこなんだろ!!」
クリティカルだ。
だが…
「なんでだ!?全く通用していない」
どういう事だ!?何か他にギミックでもあるのか?
ボス部屋のトレントとは全く違う事に困惑する。なんだ...ボス部屋のトレントと違う所…。
「あのついている果実か…?」
唯一違う点と言えばあの光り輝く果実だろうか。あの果実が何かギミックのヒントになるのだろうか。
取り敢えずあの果実をどうするかって話だな。
「その果実、頂くぜ!」
身体強化を発動し肉薄する。素早くジャンプしトレントの頭上にまで来た。
「しっ!!」
果実がなっている枝に剣を一閃する。
バシュッ!
「うおっ!?思ったより簡単に斬れたぞ!?」
ビンゴか?それになんか斬った果実もアイテムとして手に入った。
これで胴体にダメージが入れば良いんだが…。
「うん?なんか光強くなってね?」
トレントの様子がおかしい。光の強さが目に見えて増している。
「もしかして…柔らかくなる代わりに獰猛になるタイプか?」
だとしたら気を引き締めなければ。
ヒュンっ!
「その蔦の攻撃は見慣れているぜ?」
ヒュンっ!
「なんか早くない?うおっ!!」
まるで剣戟のように蔦が飛んでくる。
「性格変わりすぎだろ!?」
この光り輝く果実がそんなに大事なのかよ!?
「だけど…柔らかいお前は敵じゃない!!」
一閃。トレントの根がサヨナラグッバイする。
こうなってしまったトレントはもう何をすることも出来ない木偶の坊と化す。
「ここからは蹂躙だ」
攻略法が分かったらもう敵じゃ無いな。
。
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小鳥遊帳 人間 20歳 lv 251
体力:8990
魔力:10500
筋力:4200
敏捷:3300
知力:50
運 :3500
スキル一覧
鑑定lv5、古代語lv3、剣術lv9、身体強化lv5
称号一覧
黄金の鍵を手に入れし者、黄金へと至る者、光輝なる破壊神 、光輝なる果実を食べし者
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大分レベルが上がったな。あと分かった事は、あの枝は柔らかいのではなくクリティカルじゃないと切れない仕組みになっていた。称号の補正で殆どんの攻撃がクリティカルになるが、一回クリティカルが出なかった時があった。その時は枝に弾かれたため、間違いないだろう。
あとアイテムだな。
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光輝なる果実・・・その輝きは神をも狂わせる。味は普通のリンゴである。レア度9
光輝なる樹皮・・・光輝な木からとれる樹皮。材料としての価値が高い。レア度8
光輝なる芯材 ・・・光輝なる神木から極わずかに採ることが出来る芯材。レア度10
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こんな所か。この光輝なる果実は本当にリンゴのような味だった。特段と美味しい訳でもない。
「ただ、何か効果があるのだろうか?」
今はまだ使い道が分からないが、いずれ使う事もあるかも知れない。
そしてこの称号。光輝なる果実を食べし者だ。
”光輝なる果実を食べし者”・・・禁断の果実を食べた者。その果実に魅せられる事無かれ。
なんか不穏だな…。食べるのは控えた方が良さそうか?それにステータスの補正とかも無さそうだしな。
因みにスライムが落とした胃袋は中に入れた者が溶けるって事は無かった。
実質容量が無いマジックバッグって考えたら良いな。とんだ拾い物だ。これが無ければトレントからの素材も全然持って帰れなかっただろう。まあ、帰れると決まった訳でも無いが。
そこから暫く一本道を進んでいく。
遂に新しいフロアか…。一本道の終着点。そこには新たな扉があった。
多分この先はもっと強いモンスターが居るんだろう。そんな予感と共に扉を開ける。
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