【このレビューは第14話時点のレビューです】
主人公エリスは宇宙空間専用の人型兵器B.A.L.A.Dで戦うエース。
それを可能にしている「精神の速度(タキサイア)」――周囲の動きをスローモーションして捉える特異な能力が軍の目に留まり、以来、数々の戦果を上げてきました。
しかし彼女を取り巻く現実は不条理で不公平です。
能力の制御と引き換えに起こる頭痛。
エリスを疎む同僚たち。
そして人質として囚われた妹リア。
リアの存在はエリスにとって唯一の拠り所。
成果によって市民階級を上げようと懸命に戦うものの、世界は2人に優しくありません。
宇宙空間での戦闘描写の迫力はもちろん、登場人物たちの嫉妬や葛藤などの心理描写も巧く、ぐいぐいと物語に引き込まれます。
SF特有の専門用語も自然に織り込まれており、ストレスなく読めるのもおすすめです。
容赦ないスペース・ディストピアで兵士として生きる少女の結末を――ぜひ見届けてください。
人型の戦闘兵器B.A.L.A.D(バラッド)のパイロットとして戦場へ向かう主人公と、その主人公を支えるその妹のお話。
絶対零度の宇宙空間。その中で特殊能力により色彩を喪失させた世界の中で、敵機を撃墜してゆく主人公が帰るべき母艦という小さな世界は更に冷たく、人の悪意に満ちていた。
そんな世界観に途中ページをめくる手が躊躇する程度に苦しくなりました。
緻密な戦闘描写も素晴らしいと思いますが、私は管理されたこの世界の人々の描写がこの作品の肝なのかなぁ、と感じています。
ロボット同士の戦闘が好きな方、ダークなディストピアめいた世界観が好きな方。
きっと手に取って損は無いことと思います。
是非ご一読を。
これからの展開に期待しております。