戦闘モード高峰玲子

「天使の斬撃!」

「魔界大炎殺!」

理解を超えた異次元の対決、校長室を異空間へと変えた異次元の闘いは突然終わった。


膝をつき崩れ落ちる校長。


何が起こったのかはわからない。

とりあえず本郷さんが校長を倒したっぽいことだけはわかる。


「これで勝ったと思うなよ本郷」

「ん?勝ったよね?校長負けたよね?」

「・・・負けては・・・いる」

「よしよしそういうの素直に認めるの大事だよねえ」


確かに完全に膝をついた状態で勝ったと思うなと言われても説得力ないしちょっとカッコ悪いとは思う。

「かっこ悪いぞ校長!」

「なんだと!お前は何もしてないのに急に口だけ出すな!」

「僕もそう思うな徹」


ぐっ、余計なことを言うんじゃ無かった・・・。


「俺の倒したからといって調子に乗るな天使は必ず悪魔を滅ぼす・・・」


その一言を残し校長は霧散した。


ガラッ!

ピッシャ!


校長室に超怖い顔をした高峰さんが突然入ってきた。


「何を騒いでいらっしゃるのかしら?」

「高峰さん・・・これは・・・」

「言い訳は無用ですわよ。生徒会室で騒がなかったら良いということにはなりませんわよ。ましてここは校長室こんなところで騒ぎを起こしたらまた私が生徒会室から追い出されるかもしれないじゃありませんか」

「生徒会室がどうとかそんな事どうでも良いよ。校長室では天使が出現して異次元のバトルが起こっていたんだ」

「渡瀬君・・・天使とか・・・何を言ってるのそんなのいるわけないじゃありませんか?」

「高峰さん!精霊も悪魔も超能力者もいるんだから天使がいてもおかしくないでしょ」

「おかしいわよ。天使なんているわけないわ。超能力者だって半信半疑なのに・・・」

「高峰さんそこは否定しないで!そういう意味では精霊も一緒だから!!」

「一緒にしないでくださるかしら精霊は私を含めてここにちゃんと存在していますから」

「他も存在してるんだけど」

「うるさいですわよ。そもそも悪魔や天使がいようがいまいがどうでもいいのですわよ。生徒会室さえ無事なのであれば」

「相変わらずだねぇ高峰は僕が命がけで戦った後だって言うのにさぁ」

「本郷・・・あなたの命より生徒会室ですわ」

「だよねぇ」

「なんかバトルしてなかったか?俺の知らないところでバトルしてなかったか?」

「相模原・・・想像を絶する何かがあったよ」

「なんで俺を呼ばないんだ!!あんなにバトル見たいって言ってるのに!!!」

「相模原・・・大丈夫だ・・・異次元過ぎて見ても全く意味が分からなかったよ。見るだけ無駄だよ」

「ええっ!!でも俺は見たいんだ!いい加減俺にバトルを見せろ!なぜ俺がいないとばかりバトルが起きるんだ!」

「危険が回避できているという意味ではうらやましい限りだが・・・」

「うらやましくないぞ!!」


「本郷さん天使って何が目的なの?そもそもさ」

「えっ?徹知らないのぉ?」

「知らないよ天使の存在自体を今さっき初めて確認したんだからさ、そりゃさ悪魔がいるんだから天使ぐらいいるだろなぐらいには思っていたけど思っていただけだからね」

「天使の目的はぁ、人類を支配すること地上の支配権が欲しいだけだね」

「じゃあまあ人類の敵・・・だね。悪魔はどうなの?」

「悪魔はぁ、地上のものすべてを支配するために戦っているよぉ」

「ほう・・・」

「ちなみにぃ精霊もすべてを支配して精霊の世界を作ろうとしているよぉ」

「・・・結論から言うと全員人類の敵ってことだよね」

「まあ人間目線で言うと敵になるのかなぁ」

「あら渡瀬君私たち全員が敵だって言うのかしら?」

「いや高峰さんが敵という事ではないんだけど・・・グループでいうと敵というか・・・」

「渡瀬!そんなことを言うの?精霊王になって私と付き合う予定だったのに?あんなに俺は精霊王になる!!っていっていたじゃない?」

「水無月さん俺そんな某海賊みたいなセリフを言った覚えはないが・・・」

「渡瀬のくせに口答えするの?生意気じゃないの?渡瀬のくせに!」

「渡瀬の身分低いな・・・」

「高いとでも思ってるの?」

「いえ・・・」

「ちゃんと自覚しているならいいわ。あなたは今や犬小屋にすら入れない身分なのよ」

「そうだね・・・だから生徒会室で生活してるんだが・・・」


「ねえ・・・なにか・・・感じる・・・なにか来るわ」

「香春さん何急に?」


ガラッ!

ピッシャ!


校長室の扉が開く。


「こんなところで何をしているのかね君たちは?」

「教頭先生」

「あっこれは違うんですわ。私たち生徒会は一切無関係ですわ渡瀬とか本郷とかが勝手に騒いでいて・・・とにかく生徒会は無関係ですわ」


「高峰さん!生徒会室を死守するために俺と本郷さんを切り捨てた?」

「人聞きの悪いことを言わないでくれるかしら?あなたと私は無関係ですわ」

「いやいや一緒に精霊王を探すって・・・」

「探してもいないくせに仲間顔しないで頂けるかしら?」

「確かに最近精霊王の事は放置だけど・・・」

「放置?何もしていなかったってこと?渡瀬どういう事?」

「水無月さん何もしてないって言うと誤解が・・・いろいろと立て込んでてね今もほら新規で天使案件とか出てきたから・・・」

「また言い訳?本当に男らしくないわね。渡瀬は渡瀬らしくしっかりと働いて頂戴」


俺らしくってなんだろう・・・水無月さんの中で俺の知らない俺が存在していないだろうか・・・。


「君たちそもそも校長室に生徒が勝手に出入りして良いとでも思っているのかね?」

「あーダメですよね。すぐ出ます」

「すぐ出ますわ。そしてこの人たちと生徒会は無関係ですからね。むしろ私は注意している最中ですわ」

「ひどい言われようだ・・・」



「あれ?校長室の扉が開かねぇぞ」

「相模原お前の開け方が悪いんじゃないのか?」


・・・確かに開かない。


「あの・・・教頭先生・・・?」

「なぜ君たちがここから出られると思ったのかね?逃がすわけないでしょう」

「えっ・・・?教頭先生・・・まさか・・・それは良くないよ俺たちさっき戦ったばっかりで疲れてるんだしそういう冗談は良くないよ」

「本気で冗談だと思っているのかね?」

「本気ではないんですけど冗談であって欲しいな・・・?」

「残念ですが・・・」


グシャ!ガシャ!!

バリバリバリィィ!!!


教頭が白っぽい異形のものに変化していく・・・あきらかに不気味でいびつな何か・・なんだけど全体的に白いし天使の輪的なものは頭らしきところに乗っているのできっと天使なんだろう。


「本郷さんあれ天使・・・だよね」

「天使だねぇ」

「連戦だけど大丈夫かな?」

「えー僕疲れたよぉ次は徹が戦ってよぉ」

「無理無理さっきの戦いを見て悟ったよ。俺は所詮人間、あんな異次元の戦いは無理!さっき校長との戦いも一ミリも見えなかったし何やっていたのか全然わからないよ」

「えぇでも僕もう疲れたよぉ」

「仕方がないですわね。私が殺りましょう」

「高峰さんが・・・?」

「そうですわ。教頭先生を倒して口封じをすれば生徒会室は安泰ですわ。生徒会室の為に私戦いますわ」






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