「ようこそ、悪魔疑惑地獄へ」  ──疑惑→脱衣→放火未遂の三段活用

「何にも起きないな」

そう何も起きない。

毎日平和だ。


「まあこれで俺が無関係なことが証明されたんじゃないか?」

「無関係かどうかなんかどうでもいい・・・女子と一緒に生活出来ない挙句になんで犬の世話までさせられるんだ?」

「お犬様だからだ俺たちはあくまでお犬様の家に居候させてもらっている身なんだよ」

「お前の身分低いな」

「ああ最下層さ」


いつものくだらない相模原との会話をしながらいつもの生徒会室へ行く。

3人が俺を囲みすごい詰めてくる。


「なんで何にも起きないの?」

「俺に言われても・・・」

「なんかこう呼び寄せる儀式とかあるんじゃないくて?」

「知るわけないだろ」

「がっかりだわ」

「残念な野郎だな」

「いやいやそんなに責められる言われはないと思うんだけど」

「まあ出てこないものは仕方がないですわね。気長に待つしかありませんね」

「叩いたりしたら出てきたりしないのかしら?」

「やめろ!出ない!」


不毛で答えの出ない会話が続く中、生徒会室に予想外の来訪者が現れた。

太陽の光が似合いそうな肌、邪魔にならないように短く切られた髪の毛スポーツしそうな女子が生徒会室に突然訪れた。


「失礼します」

「誰?今大事な事話してるんだけど」

「こっちも大事な話だよ」

「っていうか誰だよ?」

「いた・・・ついに見つけた」

「誰?知ってる?」

「あれは亜里坂(ありさか)さんだ」

「なんで知ってる?」

「同じクラスだからな、知ってはいる。向こうが俺を認識しているかどうかはわからんが」

「悲しいこというなよ俺も似たようなもんだけど」

「王よ我王よついに悪魔の時代がやってきました。」

「王?渡瀬君やっぱり・・・」

「いやいや違う違う知らんし」

「悪魔なら今すぐ俺が殺す」

「落ち着け落ち着け悪魔たちの罠かもしれないだろ」

「その可能性はありますわね」

「ないんじゃない渡瀬君悪魔っぽいし」

「何が?急に悪魔っぽいとか悪魔要素ないだろ」

「そういわれると渡瀬君は悪魔な気がしてきたわ・・・」

「よしっ!殺るか?」

「精霊どもわが王に対して無礼な!王よ後ろに控えてください。私がお守りします!」


お守りします!というか亜里坂さんのせいでこんなことになっている気がするんだが・・・?


亜里坂さんの背中に巨大な羽が生え姿が変わっていく。

いかにも悪魔な感じに姿を変えた亜里坂さんが右手を前に出す。


【ダークボール】


無数の黒い球が襲い掛かる。


「無駄よ!闇の精霊に悪魔の力は通用しないわよ」

「なんだと!!」

「待ちなさい私たちが争う必要はないわ私は渡瀬君を殺すつもりがないのだから」

「どうい事だ?」

「私は精霊王が不要なだけ悪魔王には興味がないしあえて殺す必要もないですわ」

「そうなのか?」

「私は認めないわ!精霊王の時代を作るわ」

「俺も悪魔は認めてない」

「待て・・・まず俺が悪魔っていう前提で話が進んでるんだが・・・俺悪魔だな・・・みたいな感じとかないぞ」

「そんなはずはない悪魔王はここに誕生すると聞いているその証拠に背中に王の紋章があるはずだ」

「紋章?」

「そうだ楷書体で 悪 って文字が大きく出ているはずだ」

「何それすごく悪そう・・・」

「悪いな・・・悪だな・・・やっぱり死ぬべきだな」

「無いよそんなのあったら怖いよ」

「本当かしら?ちょっと服を脱いでくださるかしら?」

「とっとと脱げ」

「見たくないけど脱いでくれる?」

「見たくないは余計だろ」

「王よ失礼します!!」

「いやぁぁ」

亜里坂さんに手際よく脱がされ、あっという間に裸にされた・・・。


「あの・・・パンツまで脱ぐ必要って無いと思うんだけど・・・」

「汚らわしい露出狂ですわね?」

「えっ変態?きもいんだけど・・・犬小屋にも入らないでくれる?」

「俺が脱いだわけじゃない!!」

「何もないわね・・・」

「どういうことだ・・・?王じゃないのか・・・?」

「だから無いって・・・って言うか服着ていいかな?良いよね」

「あれじゃね、あぶったら出てくんじゃね?」

「あー確かに」

「あぶりだし?」

「とりあえず火つけてみる?」

「やめろやめろ出るわけないだろ。火傷するだけだ」

「えーせっかくライター持ってきたのに」

「持ってくるなよ。って言うかこれで俺が悪魔王じゃないことが証明されたな」

「いや・・・背中の皮はいだりしたら出てこないかな?」

「水無月さんなんでそこまでして俺を悪魔王にしたい?」

「問題が解決してすっきりするかと思って」

「無理やり解決しないでよ完全に冤罪だよ冤罪事件」

「でも本人が死んでたらばれないし」

「水無月さんが悪魔なんじゃ・・・」

「はあ?こんなかわいい悪魔がいるわけないじゃない」

「かわいいと悪魔は関係ないと思うが・・・」

「そんなことより結局こいつは悪魔なのか?」

「だから悪魔じゃないって」

「そうなんだよね悪魔王の紋章無いしなぁ」

「でもやっぱり超能力って変だし現実的じゃないから悪魔の可能性は高いかもしれませんね」

「精霊や悪魔よりは現実的だよ」

「なんでないんだよ」

「知らん!無いほうが普通だろ」

「絶対予言だと、ここにいるこいつが王のはずなのに!!!」

「王なのにこいつ呼ばわり・・・」

どんどん扱いがひどくなっていく気がする・・・・。


「ああ・・ごめんあまりにも威厳がなかったんで」

「まあ良いけど王じゃないと思うし」

「って言うかさ、渡瀬君本当に何なのよ!」

「何が?」

「精霊王っぽい雰囲気出したり悪魔王っぽい雰囲気出したりしてみんなを混乱させてさ、割と迷惑だよ迷惑行為だよ」

「確かに本当ですわね。飛んだ迷惑野郎なんじゃありませんか?」

「そうだよなこいつのせいで場が混乱してるよな」

「俺は何もしてない。お前らが勝手に勘違いして騒いでるだけじゃん」

「いいわけだなんてみっともないですわよ」

「いいわけじゃない事実事実」

なんなんだ何もしていないのにドンドン悪者になっていく。


「そういえば話は変わるけど亜里坂さん元の姿に戻った時制服とかも元に戻ってるけどどういう仕組み?」

変わりすぎじゃない?もう飽きた?悪魔とか精霊とかの話飽きた?

「あー元にって言うかもともと物理的に服が破れたり羽が生えたり角が生えたりしてるわけじゃないからさ」

「どういう事?」

「あくまでイメージ画像っていうかさみんなの心の中の映像なんだよねあれ」

「こっちの想像ってこと?」

「正確には想像させる・・・だな基本的に悪魔は人の心に入り込むのは得意だからな」

「人の心に・・・悪魔怖っ」








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