ロマン武器はカッコいい!! ~『変形』『合体』『多機能』のロマン武器好きな男は異世界でロマン武器を作るそうです!~

クラウディ

第1作目 変形機構搭載型大盾剣:「ヴァンガード」



――「変形・合体・多機能武器にはロマンがある!」ということを、俺は声を大にして言いたい。



 「というかそもそも変形・合体・多機能武器とは何ぞや?」とか思ったそこのお前! ロマン脳が足りないな!! もっと勉強するんだ!!

 まぁ「浪漫」とか言う「考えるな感じろ」の類義語みてぇなことを勉強するのもどうかと思うけど……これはひとまず置いておく。

 んで、今から「ロマン」について学びなおしてもらうと時間が足りなくなるので、さっさと本題に入っていくことにしよう。


 そも「変形・合体・多機能武器 is 何?」という疑問にお答えするなら、これは文字通り「変形または合体する武器」のことだ。

 これは本来なら一つの形として完成している武器が、内部機構やら不思議パゥワァ……(ネイティブ)やらの力でガチャガチャと音を立てながら形状を変化、もしくは別のものと合体し、先程までの用途とはまた別の機能を発揮し始めるという、あまりにもロマンあふれる武器達のことを指す。


 考えてみてくれよお前ら。

 「大剣」であったはずのものが、レバーやらスイッチやらを起動することで内部に仕込まれていたギミックが作動し、ガチャガチャと音を立てながら「大きな盾」に変形したり、「アタッシュケース」と呼ばれる本来なら物を入れるはずの道具がもう物理法則も無視して変形し、巨大な「鎌」や「大砲」になる。


 果てには剣とか槍とかいうまったく別の2つの武器が合体して、その力を掛け合わせたスーパーアルティメット最強武器にもなったりするんだぞ??


 んでもってそれ等の機能をフルで使って、超絶スタイリッシュに戦うやつがいるとするだろ????




――超超超超超!!!!! カッコいいじゃねぇか!!!!!!!!!!




 俺はこれを考えるだけで飯が食えるね!! というかもう食った!! 5杯くらい!!!

 ま、そんな「変形・合体・多機能武器」のことを常日頃から考えてるんですよ俺は。


 んで、そんなことを考えすぎていたからなのか……


「なーんでか『異世界転移』しちゃったんだよねぇ……」

「どうしたんだ坊主? お前が黄昏るたぁ、明日はカミナリ様でも落っこちてくるんか?」

「おうゴラおっさん!! 最後のは余計だろうがってんだ!!」


 はい、俺こと「黒鉄クロガネタクミ」。


――異世界にぶっ飛んでいました☆


 えー、なぜこうなってしまったのかは俺にはさっぱり心当たりがございません。

 気づいた時にはこの世界の片隅にあるといわれる鉱山にぶっ倒れていました。採掘作業をしに来たおっさん達がいなかったら俺はもうこの世にはいなかったでしょう……(遠い目)


 まぁなんで異世界に飛ばされてしまったのかはこの際置いておくことにしておこう。そんなこと考える前に「ぼくのかんがえた超カッコいいぶき」を早く作りたいし。


「なぁに、お前さんみてぇなケツの青い坊主が考え事するなんてどうせ例の「変形武器」やら「合体武器」やら「多機能武器」やらの『新作』のこったろ。アイツらは良いもんだが、そんなこと考える前に手を動かせ手を。とっとと今日の分のノルマを終わらせねぇとうめぇ飯も食えねぇし、お前考えてる代物の完成も遅れちまうぞ~」

「へいへーい……よっ、こい、しょっ!! とぉっ!!」

「おうおう! だいぶ様になってきてんな! 少し前のへっぴり腰でツルハシ振ってたお前さんとは大違いだ!」

「やかましいぞダイゴロウのおっさん!」


 採掘用のツルハシを肩に担ぎながら割と失礼なことを言ってくるのは、もさっとした髭を生やした低身長ではあるものの、その小さな体に詰まっている筋肉は超ムキムキのおっさん――『ダイゴロウ』。


 そんなダイゴロウのおっさんは、低身長・豊かな髭・筋肉ムキムキという特徴の通り、THE☆異世界の種族である『ドワーフ』の一人だ。

 んで、この世界においての『ドワーフ』は、俺が元居た世界――『地球』でも創作で取り上げられている『ドワーフ』像とほとんど変わりなく、職人気質な人が多くて力持ち、彼らの作る装備は高品質なものが多いとして有名だそうだ。


 そんな『ドワーフ』の一人であるダイゴロウのおっさんは、木製のトロッコに様々な色をした金属を山のように積み込んで、どこかへと運んでいる途中だったようだ。

 周りを見渡せば、おっさんと同じくらいの身長をした髭の豊かな人が何人もおり、その中でも細身な俺は割と浮いているように見えるだろう。


 そんな感じのここは、おっさん達『ドワーフ』が拠点としている場所――『ドワーフの里』なのである。

 この異世界――『アストルム大陸』の中でも一際大きな火山――『アルドル火山』の麓にある洞窟に拓かれたこの里は、むさくるしいおっさん達と、暑苦しい溶鉱炉の熱が満ちていて、そこらを溶岩の川が流れているという、ものづくりの栄える場所であり、そんな所に俺は転移していたのだ。


「にしても、お前さんは珍しい人間だなタクミ。『異世界人』だっちゅうのに、覚えたいと言ったのはわし等の装備の加工技術ばっかり。外の若ぇモンならもっと派手な魔法とかを学びてぇもんだろ?」

「そりゃ興味が湧かなかったわけじゃねぇよっ、とっ! でもどっちかという、とっ! 俺は大剣とかっ!! ロマンある装備の方がっ!! 作りたいって!! 思っただけだからなっ!!」

「そいつに関しては同意する! 強い装備を作るのもいいが!! やはり面白れぇもんも作りたくなるからな!!!」


 良い感じの鉱脈がありそうな場所に向かってツルハシを振りながら、俺はおっさんの質問に答えていく。


 ちなみにこの世界全体で言うなら、異世界人というのは珍しくはあるが見慣れている人は見慣れる程度の存在らしい。

 なんせ、この世界の創造神である『アストラ様』が迷える魂をこの世界に「転生」させたりすることがよくあり、んでもってそんな彼女の力の影響か、たまーに転生ではなく「転移」してしまう人がいることもあるとか。

 現に俺も何度か『同郷』の人とは何度かあったことあるからね。ロマンが分かる人もいれば若干引いてた人も多かった。解せぬ……!


 そんな中で、俺は偶然この世界に来てしまった「転移者」の一人であるわけなのだが、関係していると思われる女神様には以前、夢の中で土下座されながら謝られたので本当に事故なのだろう。別にいいけどな!


「んで、今日は大繁盛してんな。新鉱脈が発見されたにしては炭鉱夫の人数が多すぎねぇかおっさん?」

「まぁな。だけどあんま深く掘りすぎんなよ? ここら辺は鉱石だけじゃなく宝石の類もざっくざくだ。んで、宝石が大量にあればうじゃうじゃ出てくるのは?」

「あぁ……『宝石食いジュエルイーター』ねぇ……」


 俺が言った通り、ここら一帯はドワーフの里から伸ばすように掘られた場所で、最近新鉱脈が発見されたと言われる『お宝の山』だ。

 この世界でも使われている『鉄鉱石』はもちろん、加工できれば高い耐熱性を持つ装備の材料となる『グランシウム鉱石』や、魔力を吸収・保持できる性質を持つ『アブゾニウム鉱石』、精錬すればこの世界で最も硬いと言われる金属――『アダマンタイト』などなど……

 そんな希少な鉱石が山ほど取れると思われる新鉱脈に俺とダイゴロウのおっさんは来ているのだ。


 しかし、美味い話には必ず裏があるというのが世の摂理で……それが先程話題に出した『宝石食いジュエルイーター』という魔物だ。


 THE☆ファンタジーであるこの世界にも、定番の『小鬼ゴブリン』や『飛竜ワイバーン』といった『魔物』と呼ばれる存在はいるらしいので、魔物がいるということ自体に驚きはしなかった。

 だが、宝石を好んで食う『デカいミミズ』というのは流石の俺も想像したことはなかったので実物を見た時は結構驚いた。

 あと、アイツらはちょっとどころかだいぶヤバいくらいに気色悪いので……うん、正直あんま見たくはない。


「だからお前さんも気を付けろよ? ここは長年発掘されなかった鉱脈だ。でけぇヤツが潜んでいるかもしれねぇ」


 だからダイゴロウのおっさんは気を付けるように言ってくれてるのだ。

 ちなみにの話になるが、『ドワーフ』の人達は職人肌の人が多く、装備を丁寧に扱わないやつは気に入らないやつ認定してくるらしく、あと外から来た人にも割と塩対応が多いらしい。


 だが俺はその類の扱いはされていない。

 むしろ種族が違うのに同族みたいな扱いをしてもらってる。


 そんなおっさん達の俺への対応が今みたいにフランクなものになった要因としては、俺が設計し制作している『ロマン武器』の影響がデカいだろう。

 「やっぱロマン武器は良いよなぁ!!」と言い出した俺の考えに興味を持ったおっさん達を巻き込んで、「あれが良い」とか「これくっつけようぜ!」とか夜通し話したのもつい昨日のことのように思い出せる。


「大丈夫だって。こちとら『この子』を担いできてるからな!! 『宝石食いジュエルイーター』だろうが何だろうがぶっ飛ばせるっての!!」

「お、そいつはお前さんの一番最初の子か!!」


 ま、そんなおっさんに気遣われながら、俺は自信満々に背負って来た一振りの『ロマン武器我が子』をビシッと見せつける。

 「我が子」って言ってるのはなんだかんだで俺が初めて生み出して完成させたものだからだな。愛着を持って「我が子」と呼んでいるのだ。

 ちなみに『ドワーフ』にとって自分の武器は子供のようなものなので、作った武器一個一個に名前を付けるって人は多い。


「まぁだからあんま心配するなよおっさん。おっさんの方こそ、先にくたばんじゃねぇぞっての」

「……プッ、ガハハハハッ! よく言うじゃねぇのタクミィ! 油の差し過ぎで口が軽くなってんじゃねぇか!?」

「アッハハハハハハハハハ!!! 口は軽くした方が頭が回るんでね!!!」


 2人して豪快な笑い声をあげながら、俺とおっさんは力強くツルハシを振っていく。こういう掛け合いができるのもおっさん達だからなんだよな~。


 と、そんな風に呑気にツルハシを鉱脈に叩きつけていると……どこからか大きな揺れが発生した。


「ぬぉっ! 地震か!?」

「っとと、にしてはなんか変な感じしねぇか!? なんかでかいやつが山が起こってるというよりかはでけぇやつが動いてるって感じの揺れ方だぞこれ!!」


 ツルハシを振るのを一旦やめて、おっさんと自身の原因を考える。


 地脈活動による地震……は考えにくい。

 この『ドワーフの里』の鉱脈は火山に近いとはいえ、それでも噴火はめったに起きない。

 誰かが爆発するような魔法を使った……ってのも考えにくい。

 いくら頑固なおっさん達でも、鉱山の中でそんなことをするような馬鹿じゃないからだ。


 と言っても何となく原因には当たりが付いていて……


「た、大変だ! ほ、掘り進めていたら、ジュ『宝石食いジュエルイーター』が!?」

「ほらやっぱりな」

「そら『宝石食いジュエルイーター』がこんだけの鉱山逃すわけねぇよな」

『ギシャァアアアアアアアアア!!!』


 別の掘り進められていた穴から仲間を背負ったドワーフのおっちゃんが出て来て、その後ろから気色悪い咆哮が聞こえてくる。

 まぁこれは割と日常茶飯事なので、周りの皆も慌てずに臨戦態勢に入る。

 そんな中で俺は状況を静観していた。


「俺はどうしよっかねぇ……手伝った方がいいかおっさん?」

「まぁお前さんはわし等より手足がなげぇからな。足も速いもんだからちっとばかし隙を作れるんなら、このツルハシであのミミズ野郎の頭をカチ割ってやれるぞ」


 筋肉ムキムキと言えども、その身長はまだ20歳にも行ってない俺の肩にも届かない程度には手足の短い『ドワーフ』のおっさん達は、まぁ一際足が遅い。

 横にジャンプするという荒業で高速移動するドワーフ族の戦士もいるのだが、おっさん達はただの「炭鉱夫」兼「鍛冶師」。

 鉱山の移動はトロッコ頼りなもんなので、逃げ切れそうもない。


「ぬぉおおおおおおおおお!!?? だ、誰か助けてくぇえええええええええええええい!!!???」

「この野郎! 俺の兄弟を!!」

「このデカブツめ!! とっとと兄弟を放しやがれ!!」


 現に噛みつかれて踊り食いされかけてる炭鉱夫の一人を助けようと、他の皆も攻撃を仕掛けているが……傍目から見たらでっかいバルーンに飛びつこうと頑張っている子供達のようにも見える。なんか和むな……。

 一瞬ほっこりしかけたが、流石にこのままだとあのおっさんが『宝石食いジュエルイーター』の粘液まみれになってしまうので、早めに助けようとした。


 っと、その前に……


「んじゃ、アイツの体についてる鉱石を8割くらいはくれよな!!」

「なっ!? 8割も持っていくのは駄目に決まっているじゃろ!?」

「え~? アイツ結構デカいから8割くらいは持っていっても良いでしょ?」

「ぬ、ぬぐぅ……!! 確かに、わし等の決まりでは先に手に入れたやつが持ち主じゃが……じゃ、じゃが流石に8割は持っていきすぎじゃ!!」

「えー、じゃ7割」

「駄目じゃ!! 5割!! これが一番いい!!」

「ケチだなおっさん!! 新しいロマン武器設計図見せてやんねぇぞー!!」

「ぬ!? また設計図を作ったのか!? じゃ、じゃが……!!」

「おっとここにちょうどいい設計図が一枚ありまして……」


「おーい!! タクミにダイゴロウ!! 漫才やってないでお前さんらもこっち来て手伝えー!!!!」

「助けてくれー!!! 服汚してカミさんに怒られるのは嫌だー!!!!」


「「あいよ!! 分かってるっての!!!」」


 流石にヤバくなってきたのか焦ったような声と悲鳴が聞こえたので、おっさんをからかうのをやめて『宝石食いジュエルイーター』に駆け出す。


『ペッ!! ギシャァアアアアアアアアア!!!!』

「た、助かったぁあああああああああああああああ!!?? ふごっ!!??」


 そんな俺達の動きを察してか、炭鉱夫をのみ込もうとしていた『宝石食いジュエルイーター』が咥えていた炭鉱夫を吐き出し、俺らに向かって突進してくる。

 狙いは……ダイゴロウのおっさんが集めた鉱石か。


「おっさん!!」

「分かっておる!!」


 そんな『宝石食いジュエルイーター』の仕留めるため、おっさんより先行していた俺は背負っていた『ロマン武器』に手をかけ、両手で構えた。

 構えた『ロマン武器』は、一見すれば金属でできた巨大な『団扇うちわ』とかにも見え、構えようによっては変な形をした『たて』のようにも見えるもの。

 これは俺が一番最初に作りだしたロマン武器――『変形機構搭載型大盾剣:「ヴァンガード」』。


 シンプルかつ強力な破壊力と圧倒的な防御力を兼ね備え、そして俺の好きな『変形』と『合体』、『多機能』の要素を併せ持つように作りだした自慢の『一品我が子』。

 それを俺自身の前に構え、盾のように持った際に持ち手となるハンドル部分を回転させると、「ガシュッ!!」というギミックが作動する音と共に、『盾』としての側面に展開されていた部分が収束して、一振りの『大剣』へと『』した。


「オラァッ!!!!」

『ギュブィッ!!??』


 そのまま『宝石食いジュエルイーター』の突進に対し、真正面から勢いと力任せに頭に叩きつけると、『宝石食いジュエルイーター』が盛大な音を立ててのけ反った。

 目測からして、身体の太さがそこらの一軒家レベルにデカいこの『宝石食いジュエルイーター』が大きくのけ反るレベルの衝撃を与えるこの『ヴァンガード』。

 先程説明した『アダマンタイト』を全体的な素材として使用し、変形機構を正常に動作させるために、強度がありながら弾性もある『ヒヒイロカネ』という金属や、温度の変化による変質・変形を防ぐ各種鉱石を混ぜ合わせた合金――『オリハルコンメタル』で構成されている、そこらの冒険者じゃ大金積んでもお目にはかかれないような逸品だ。


 だが、それだけ希少な鉱石を使われているから強い、というだけでなく……


「っとと!! 結構重いなお前!! さぞかし良いもん食って来たんだろうなぁ!!!」

『!? ギシュアッ!?』


 のけ反った体勢から体を倒してのしかかってきた『宝石食いジュエルイーター』を『盾状態』にした『ヴァンガード』と魔力で強化した自身の肉体で支え切り、動きが止まった隙を突いて『大剣状態』の際に握っていた柄の部分を引き抜き、一本の『短剣』を抜き放つ。

 あとは動こうとした『宝石食いジュエルイーター』の体をめった刺しにして確実にダメージを与えていった。


 そう、俺が今使用している『ヴァンガード』は、この世界に来て間もない頃の俺が湧きまくるインスピレーションのままに制作した『ぼくのかんがえたさいきょうのロマン武器』であり、


――盾と大剣への『変形』、それを構成するのが短剣と大盾による『合体』、そして『大剣』、『大盾』、『短剣と盾』という欲しいところ全部盛りにした『多機能』を併せ持つ究極の『ロマン武器』第1号なのだッッッッ!!!


 だからこそ俺はこの子に『先駆者ヴァンガード』という名前を付けたのだ。これからも君の弟妹は増えていくからな~、楽しみにしといてくれよなヴァンガード~♪


 っとと、そんなことより『宝石食いジュエルイーター』だ。


「オラァッ!!」

『ギュバァッ!!!???』


 「とっととみぐるみ置いてけやぁ!!」と若干蛮族みてぇなことを考えながら、再度『大剣状態』の『ヴァンガード』でカチあげられた『宝石食いジュエルイーター』は、大きな隙をさらすことになる。


 んで、その出来た隙をおっさんが見逃すわけがなく……


「ふんぬぅっ!!!」

『ギュブッ!!!!????』


 頭に向かってツルハシを深々と突き刺されて絶命するのであった。

 ま、コイツくらいならこんなもんじゃろ。結局のところコイツただでかいだけのミミズだし。


「さぁてと、身ぐるみ剥いで言っちゃいましょうかね~」

「ぐっふっふ……! これであんな装備やこんな装備が……!!」

「おいタクミィ! そっちもいいが早く助けを呼んできてくれー!! このまんまじゃ作業も再開できねぇぞー!!」


 そう言って、先程までのてんやわんやした状況から一転、『宝石食いジュエルイーター』が出現する前の空気に戻っていくのであった。


 これが異世界――『アストルム大陸』の『ドワーフの里』に転移した、ロマン脳を持つ俺の日常なのである。


「おいそれ『クリスタライト』だろおっさん!? ちょっ、見せてくれよ!! それがあれば昨日考えたあれが完成する……!!」










「……ここが……『ドワーフの里』……腕のいい鍛冶師の方々が多く集う街……ここならきっと、私の望むものが……」


――そんなドワーフの里に新しい風が吹こうとしているのを、今の俺達は知る由もなかったのだった。

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ロマン武器はカッコいい!! ~『変形』『合体』『多機能』のロマン武器好きな男は異世界でロマン武器を作るそうです!~ クラウディ @cloudy2022

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