第18話 新バッテリー結成?
「――ちょっと、さっきからどこ投げてんの? ミットはここなんだけど?」
「……ご、ごめんなさい
それから、数日経た放課後のこと。
グラウンドのフェンス近くにて、いつもより大きなミットを構えつつあきれたように告げる
「……にしても、ほんと急にもほどがあるでしょ。次の試合で、いきなりあたし達二人でバッテリーを組めなんてさ」
その後、わたしにボールを投げ返しつつ不服そうに話す高畑さん。そう、実は次の試合――およそ二週間後の練習試合、なんとわたしが先発投手、高畑さんがキャッチャーとしてスタメンで出場することになっていて……うん、ほんと急だよね。
『――突然で悪いが……二人には次の試合、先発でバッテリーを組んでもらう』
『……へっ?』
一時間ほど前のこと。
ベンチの前で、監督から言われた言葉。そして、ふと声が重なる高畑さんとわたし。ちらと隣を見ると、少し嫌そうな
ともあれ、この驚きの決断の経緯はというと――そもそも、
なので、万が一の事態に備え、今からキャッチャーの人数を増やしておく必要があると改めて判断したとのことで。……うん、それは大切なことだよね。すごく大切なこと、なんだけど――
『……でも、なんであたしなんですか?』
すると、不服を隠す様子もなくそう問いかける高畑さん。……うん、すごいね。相手は監督なのに。
……だけど、それはわたしもまさに疑問に思っていたことで。……あっ、高畑さんが嫌なわけでも、務まらないなんて思ってるわけでもないよ? ただ、他にもたくさん選手がいる中で、高畑さんを指名したのは何か理由があるのかなと――
『……まあ、そう怒るな高畑。五年以下の中で、一番適性があるのがお前だと判断したんだ。実力の面でもそうだが、もともとキャッチャーをしていたお前がな』
『…………へっ?』
……うん、びっくりした。まさか、高畑さんがもともとキャッチャーだったなんて。……でも、なんで辞めたんだろ? もちろん、わたしにまだ野球の細かいことは分からないけど……でも、高畑さんはあんなに上手いんだから、キャッチャーだって上手にでき――
「……ねえ、なにぼおっとしてるわけ?」
「……へっ? あっ、ごめんなさい!」
そんな疑問を浮かべていると、既にミットを構えた高畑さんから苦情が届く。……うん、今はピッチングに集中しなきゃね!
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