第5話(最終話):未来へつながる約束
それからの日々、彩花と蓮は公園で会うたび、自然に笑い合うようになっていった。
受験を控える彩花に、蓮は「頑張って。春に、同じ制服着ような」って、そっとエールを送ってくれた。
そして迎えた春――
桜が満開の日。
高校の入学式。
少しだけ大人っぽくなった彩花は、新しい制服に身を包み、校門をくぐった。
そこに、待っていたのは――
「よく来たな、新入生」
制服姿の蓮が、優しく笑っていた。
「がんばったな、彩花」
彩花は、うなずきながら言った。
「うん。蓮くんに、また会いたかったから」
そして、ふたりは並んで歩き出す。
同じ未来へ、同じ歩幅で。
エピローグ
恋のはじまりは、ちょっと恥ずかしい思い出だった。
でもあの出来事がなければ、きっと出会えなかった。
だから彩花は今、胸を張って言える。
――「あの日、ありがとう」
[完]🌸
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