弾GUN怒(ダンガンド)
亀川暗(キセンクライ)
【プロローグ】
宇宙王アザトは、全次元の制圧を完了した後…地球の並行異世界で、魔界の大王として全人類を奴隷化していた…
「今日の妻は、誰にするかな…」
王宮の大広間…鎖に繋がれた、数千人の半裸の美女が跪かされている…うつ向いてすすり泣く声が、かすかに地面を振動させていた…
その時、遠方から破裂音が響く…
ズドドドド〜ン!
「魔王アザト…その罪…命を持って償ってもらう!」
勇者とその一行が、噴煙の中から現れる…
「魔王無力化魔法…発動!」
先頭の勇者がそう言うと、後方の魔法使いが、杖の先から虹色の光線を発射し…アザトのカラダを包んだ。
「ま…まさか…」
時空の扉は開き…たじろぐ魔王の全身を吸い込んで行く…
「アレ…ただのハッタリなのに…プラセボ…恐るべし…」
身も蓋もない事を言う勇者一行は、呆気に取られていた…
(鳳崇アザトの日常)
記憶は持っていた…あの好き放題の前世から…いや、まだ存在しているかも知れない世界からの移動…気がつくと、アラサーサラリーマンとして、リアルワールドで生きている…たぶんあっちが夢だったんだろう…うん、そうに違いない。
トントントン…(ノック音)
チャイムも無いのか…この、ボロアパート…
「悪かったね…オンボロで…」
初老の大家が玄関前に立っていた…
「あぁあ…すいません…家賃未納の件ですよね…あの…もう少し、お情けを…」
「少し…話…いいかな…」
「ハイ…汚い所ですが…い、いや…おキレイな部屋です…」
大家の機嫌を損ね無い様、広間に(狭いけど)通す…
「実は…私なんだが…明日から入院なんだ…しかも、余命1ヶ月らしい…」
「え…」
(良かった…家賃の催促じゃない)
「どうした?何かうれしそうだな…」
「滅相もない…ショックですよ…大家さんの事…実の父親みたいに思ってますから…」
「嬉しい事を言ってくれる…なら、話は早い…」
「このアパートの権利と…私の遺産を引き継いで欲しいんだ…」
「マジっすか…」
「ただし…条件がある…」
イヤな予感しか無いが…社畜の自分が、自由を手にする唯一の希望が今、与えられ様としている…
「私は…独身だが…女癖が悪くてね…」
前世の俺みたいだ…今世では、童貞野郎だけど…
「娘が…4人いるんだ…しかも、このアパートの地下の、異世界への扉の…向こうの子もいるのさ…」
俺が昔、開けた扉か…やっぱ夢じゃ…
「で…そのひとりと…結婚して欲しい…いや、君さえ良ければ…4人共、もらってくれ…」
「ハイ…願ったり叶ったりです…」
ここでゴネて、無駄な尺を稼ぐのは、得策では無い…何ならもう既に期待感でビンビンだった…(いや肉体じゃ無くて、精神状態ね)
「日にちがダブらない様…娘をひとりずつ泊まりに来させるから、楽しみなさい…但し、皆んな癖モノだ…命の保証は…なんてな…まぁ細かい事は、気にしない方がいい…」
「ハハ…御冗談を…」
愛想笑いで、茶を濁したが…まさかね…
翌日…大家さんは、莫大な遺産の入った通帳を手渡し、タクシーで病院へ向かった…
さて…娘さんが来る前に、間違いを起こない様…性欲を抜いておくか…
最新の動画配信サービスに、カーソルを合わせ…1本のセクシー映像を、鑑賞する事にした…少しのアイドリング状態から、タイトル画面が浮かびあがる…
『エルフちゃんは、舐められたい』
私、ビコル…魔界から来た、ダークエルフで〜す…実はワタシが、この世界に来たのは…
人間界のオスは、メスのアソコを舐めるって聞いたからなの…もう…想像しただけで…
(あぁん…滴る…)
耳をフードで隠して、人のフリをしてと…男が好きそうな、セーラー服を着て…スカートは短めに、胸元を開けて…巨乳を強調するのだ…
道路の反対側…信号の向こうに、丁度いい感じの学生がいる…ワザとらしく、ぶつかって…関係を結ぶ事にしよう。
ドンッ!
「な…何?うわっ…エルフ…」
驚く青年の顔は、近くで見るとあまり趣味じゃ無かったが…まぁ股間に張り付ければ、気にならないなって思った…
「お兄さん…私のココ…舐めて…」
私が、スカートをたくし上げる前に、そいつは走って逃げて行った…
(意気地なし…)
もういい…ランダムで行こう…確かこのアパートに、独身の親父が住んでたな…いつもコンビニでエロ本買ってたし…きっとそいつなら…私の…舐めてくれるだろうな…
ピンポ〜ン!
(鳳崇アザトの非日常)
AVを慌てて停止し、玄関へ向かった、股間の膨らみを気にしながら…
「お兄さん…私のアソコ…舐めて…」
玄関に立っていたエルフの肌の色は、色黒の映像と違い…白かった…
(胸は…おんなじだな…)
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