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  • 十中八九、死罪にて候への応援コメント

    企画にご参加ありがとうございました。題材が重く非常に誠実な筆致だったため、コメントが長くなってしまったことをご容赦ください。

    少年少女の成長、親交、悲劇と問題提起。文語で書かれることで安易な感情の煽りがなく、改めて人間とは、社会とはを考えさせられました。
    私の個人的な考えになりますが、現在の教育制度は少年少女たちを押さえつけることばかりに力点がおかれているように感じます。この少年たちのように、自分たちの生に対し真摯であることの方がよっぽど自然だと思いました。

    中年の男に関しても、いっ時の感情に流されて暴言、暴力に走る浅はかさ。そこに関わった人たちがこれからどれだけの胸の痛みを抱えて生きていかなくてはならないというのか。

    ただ、私はこの少年少女の行動が美化される可能性には少し懸念があります。侮蔑は腹が立ちますが、中年男の心を軽くし、母子に寄り添う愛を優先した選択肢はないのか。誰だって煽られればキレる。キレたら暴力が強い方が勝つ。これに真正面から向き合うことは、勇気なのか正義なのか。これは非常に難しい話だと思っています。

    私は教育現場にいたので、常に考えてしまいます。命より大切なものはあります。自分の守るべきもののために死ななくてはならないこともあります。ですが、あの中年男の暴言が、遺族の深い悲しみと引き換えになるのでしょうか。それゆえ私は、本作が少女の若さを強調していること、中年男のその後の態度の描写から安易な断罪もの・悲劇の美化をしない書き方であることに信頼をよせることができました。

    司法・報道に関しては、私は法学を学んだ者なので司法に携わる者の倫理を信じたいのですが、以前行われた教育虐待の裁判では、被害者・加害者の関係者双方が納得できない結果であり、他人が裁くことの限界を感じました。では自力救済が先、法治が後ならどうなるか。単純な同情を優先していくなら、時代がそちらに傾くことも覚悟しなくてはなりません。それは望ましいことだろうか。

    人の不幸で楽しむような報道が人の不安を煽り、不安が暴力を誘発し、暴力が悲劇を生み、悲を生んで社会の構造を変えるというのは、あると思っています。情報の影響を吟味するというのはやらなくてはならないです。

    優等生的なコメントになり申し訳ありませんが、こうにしかなりませんでした。作品は作者の手を離れると自由に解釈されます。本作はあらゆるところにリアルな問題提起がある分、読む側の考えが問われます。真剣に考えざるを得ない作品の本気に敬意を表します。

    作者からの返信

      素敵な企画に参加させて頂きありがとうございました。
     
     お辛い中でお読みくださり、またしっかりとした思いを受け取ることができまして、感無量の状態です。
     
     難読、とまでは烏滸がましいのですが、おっしゃる通りに捉え方によって千差万別となることは間違いないと思います。少年をモチーフにしてしまったことは少々感傷的な心情で読んでいただくことになってしまうので、配慮すべきだったかもしれませんが、例えとしてあげるのならば、的確であるのではないかと致しました。
     
     なにかに少しでも触れることができたならと考えております。

     素敵なコメントを頂けてとても励みになります。
     末尾は過分ではないかなと恐縮しきりですが、心より感謝を申し上げます。