第23話 新たな仲間と絆の深化
『古湖竜(こりゅう)の燻製ステーキ』で王国の食料問題をサクッと解決してから、数週間が経ったんや。
『生産型移動要塞『フロンティア号』』は、今日も空をゆったりと移動しとったわ。
フロンティア号は、王国の各地を巡って、ミオの作る『奇跡の野菜』や『魔法の保存食』を分け与えとる。
おかげで、行く先々でみんなが笑顔になってくれるから、ミオも嬉しいんや。
(あー、平和やなぁ。これがうちの求めてた引きこもりライフやで!)
ミオは、フカフカソファに埋もれて、資材スライムをモフモフしながら、至福の時を過ごしとった。
資材スライムは、ミオの膝の上で、気持ちよさそうにぷるぷると震える。
フロンティア号の船内は、もう完全に「異世界版・夢のマイホーム」や。
ライオス、シエラ、フィオナの「暁の剣」パーティは、ミオの作ってくれたチートアイテムのおかげで、Sランク冒険者も夢やないくらいに強なっとる。
ルナリア姫とリリアーナ王女は、毎日工房に遊びに来ては、ミオの作る絶品スイーツに舌鼓を打っとる。
ドワーフのゴルムはんは、資材スライムの加工能力に毎日頭を抱えとるけど、その技術を何とか自分のものにしようと、必死に資材スライムたちを観察しとる。
エルフの学者エリアスは、工房の書庫にこもって、古代文明の謎と、ミオの能力の秘密を研究しとった。
資材スライムたちは、みんなに懐いて、あちこちで「ぷるぷる~♪」と可愛らしい音を立てて跳ね回っている。
ミオの工房には、新たな仲間たちが、続々と集まってきたんや。
ある日、フロンティア号の自動検知システムが、新たな来訪者を知らせた。ピピッと、小さな音を立てる。
「えぇ~?今度は誰やろ?」
ミオが首を傾げると、船内に、背の高い、顔色の良い老人が入ってきた。彼の白い髭は長く、顔には深い皺が刻まれている。
その隣には、やけに大きな袋を抱えた、小柄な獣人の青年がおる。彼の耳は大きく、警戒するようにピクピクと動いている。
「ほう、ここが『眠りの魔女の工房』か!」
老人は、目を輝かせながら工房を見回す。彼の顔には、探求者らしい好奇心と、柔らかな知性が浮かんでいる。その視線は、ミオの工房に置かれた、古代の魔導具のレプリカに釘付けや。
「我は、エルフの賢者、**エルドリアス**!世界の真理を求めて旅しておる者だ!」
老人の声は、どこか遠くから響くような、不思議な響きがあった。
「そして、こちらは我の弟子、**タオ**!獣人の薬師じゃ!」
小柄な獣人の青年、タオは、ミオを見ると、警戒したように耳をピクリと動かした。彼の琥珀色の瞳は、ミオの資材スライムに興味を抱いているようだ。
エルドリアスは、ミオが作った『魔力製氷機』や『自動給湯魔法風呂』、『魔法水洗トイレ』などを見て、目を丸くして感心する。
「な、なんという技術!これほどの魔導具を、一介の少女が!?」
彼は、ミオの能力に、純粋な好奇心と、尊敬の念を抱いとった。
タオは、フィオナが作った薬草茶の香りを嗅ぐと、その薬草の配合に驚く。
「この薬草の組み合わせは……!素晴らしい!」
タオの顔には、感動と、新たな知識への探求心が浮かんでいる。
エルドリアスは、ミオの能力の起源や、古代文明の技術について、ミオに質問してきた。
ミオは、自分の知ってる範囲で、前世の知識や、夢で見た創造主の記憶の断片を話したった。
エルドリアスは、ミオの話を聞くたびに、深く頷き、目を輝かせる。
「なるほど、そうか……。世界の理、創造の根源……興味深い!」
タオも、ミオが前世の知識を応用して薬を作る様子に、真剣な眼差しを向けている。彼の指先が、薬草の瓶をそっと撫でた。
資材スライムたちも、エルドリアスに懐いた。
特に、魔法スライム(魔力を蓄積する資材スライム)は、エルドリアスの周りで「ぷるぷる~♪」と楽しそうに飛び跳ねている。
エルドリアスが魔力を使うと、魔法スライムが嬉しそうにその魔力をモグモグと吸い込み、体に溜め込むんや。
「ほう、このスライム、魔力を吸収するのか!?」
エルドリアスが驚くと、魔法スライムは「ぷるる~っ!」と得意げに跳ねた。
タオも、資材スライムが薬草を調合しやすいように加工してくれるのを見て、その便利さに感動する。
(このスライムたちがいれば、もっと早く、もっと多くの人を救える……!)
タオの瞳に、新たな希望が宿る。
こうして、ミオの工房には、新たな仲間たちが加わったんや。
エルフの賢者エルドリアスは、工房の研究顧問として、古代の知識とミオの技術を融合させる研究に没頭する。彼は、工房の書庫にこもりきりになった。
獣人の薬師タオは、フィオナと共に、ミオの作った薬の普及や、新たな薬の開発に尽力する。彼は、フィオナを「師匠」と呼び、熱心に学ぶ。
ライオス、シエラ、フィオナの「暁の剣」パーティは、フロンティア号の護衛や、希少素材の調達に活躍する。彼らは、フロンティア号を拠点に、王国の隅々まで冒険の足跡を広げていく。
ルナリア姫とリリアーナ王女は、工房の癒し担当として、ミオのストレスを軽減してくれる。二人の姫様は、スライムたちと遊んだり、ミオの作るスイーツを頬張ったり。
ゴルムはんは、ドワーフの伝統技術とミオの技術を融合させ、新たな魔導具の開発に挑戦する。彼は、工房の一角に自分だけの小さな鍛冶場を構えた。
資材スライムたちは、みんなの指示に応じて、素材集めや加工、そして癒しを提供してくれる。彼らは、工房のどこへ行っても、みんなの傍で「ぷるぷる~♪」と鳴いている。
ミオの工房は、もはや王都の一工房ではなく、様々な種族と技術が集まる、異世界の中心地となっていったんや。
「みんな、ほんまにええ仲間やなぁ……」
ミオは、みんなが笑顔で協力し合う姿を見て、心から幸せを感じた。
(別に引きこもりじゃなくても、これだけ平和で楽しいなら、ええか!)
ミオは、そう思いながら、またふかふかソファで資材スライムをモフモフするのであった。
工房の窓からは、輝く王都の街並みが広がり、その上空には、フロンティア号の巨大な影がゆったりと漂っていた。
この場所が、やがて世界中と繋がっていくことを、ミオはまだ知らなかったんやな。
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次回予告
世界中で、うちのチート生産の噂が広まってるで!?
工房には、新たな依頼が殺到!?
資材スライムはんたちも大増殖して、工房の中はてんやわんや!?
王都の空に、新しい希望の光が輝くんやろか!?
次回、チート生産? まさかの農奴スタート! でも私、寝落ちする系魔女なんですけど!?
第24話 世界を繋ぐ生産者
お楽しみに!
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