覗きのために青春を賭けた、かつてない修学旅行譚

 これは、青春のすべてを
 ──否、魂のすべてを──
 覗きに捧げた少年たちの物語である。

 主人公•太一の背後には、戦友に寄り添う軍師•翔吾と、愛と倫理の狭間に揺れる諜報員•藍。
 さらに太一はサッカーで鍛えた足腰が生む爆発的フィジカルを持ち合わせている。

 そう、準備は完璧。

 あとは覗くだけ……のはずだった。

 しかし、謎多き美女・鷹宮葵が突如として立ちはだかる。
 彼女の目的は不明。言葉は甘くも鋭く、心を試すような挑発ばかり──それがまた堪らない。

 葵──彼女はもはや“概念”である。

 登場しないページも、読者は彼女に焦らされ、嬲られる。

 尚、この作品は「性的描写あり」と銘打たれている。
 しかし、露出も接触もいやらしさ皆無。
 それでいて胸の奥をドキリと突く緊張感は、まさに作者の妙技。
 女性読者も安心して、そのドキドキの渦に身を委ねられるだろう。

 物語の引きの強さは中毒性すら帯び、ページを閉じることを許さない。

 そして毎日更新の朝8:05──
 あなたは、秒針を睨みながら新たな一話を待ち望むことになる。

 青春と欲望と策略が入り乱れる、かつてない修学旅行。

 さあ、太一と共に覗きの戦場へ──。

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