誰か見てるぞ

宮上 想史

第1話







  1 監視の仕事










 四畳半くらいのスペースに一人、男がパソコンと向き合って座っていた。

 せんべいをかみ砕いていた。

 俺の名前は、岩本 薫。仕事は監視の仕事だ。依頼を受けている施設のカメラとアラームの監視業。基本的にやることはない。

 岩本は耳をほじる。指先をふっと吹く。

 ぼーとしているだけで身体を動かすことがない。半廃人。ボケましぐら。夜勤を専門でやっているから自律神経はめちゃくちゃで体調は常に優れないし、毎日元気はない。だからサプリを摂って、無理矢理元氣をだす毎日。サプリがないとやっていけない身体になっている。たぶん、寿命が削れている。楽なようにみえるが、人にすすめるような仕事ではない。 

 岩本はサプリを飲んでから、栄養ドリンクを飲んだ。

 スマホの動画を流しながら、カメラとパソコンをチラ見する。

 パソコンからアラームが鳴る。どこかのセキュリティデバイスに反応があった。

「どこだ? はいはい」

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