バブバブ・バーバリアン

一色くじら

第一章 神?誕生

第1話 悪魔の微笑み

「また負けたよ。相変わらず、ロイドは強いな」

いつものメンバーとフロイスの酒場で酒を飲みながら、トランプ遊びに精を出していた。


「お前らが弱すぎんだよ。顔になんでもかんでも出しすぎな」

「何が出てるって言うんだよ」とシーラがビール樽の中身を空にする勢いで飲み干していく。


「感情だよ」

「馬鹿言え。そんなもの出てるわけないわ。出るのは腹だけで十分だわ」

酔っぱらいすぎたトムは、ロイドの襟をぐいぐい上げ下げしながらお腹を揺らす。


「めんどくさいぞお前ら」

「うるせえな。お前が勝ちすぎてるのが悪いんだろうが」


「そうだ。リチャード。もっと言ってやれ」

空にしたビール樽が隣で転がっていた。


「バーバリアン軍団。うるせえぞ。もっと静かに飲めよ」

すると、隣町のマイケルが大声で怒鳴り散らしてくる。


××世紀のヨーロッパで、開拓をするものは、新天地を見つけるという意味では、世界から評価されていたが、商人たちからは目の敵にされていた。

特にマイケル家は、それで大きく被害を被った一家の一つでもあった。


「あぁーん!!!だと、このモヒカン野郎!!」


「やんのか、クソ爺」

マイケルがトムをどつく。


「やってんやんよ」

拳をふるいあげた瞬間、トムの体がうねり、「うぇぇぇぇー」とゲロ爆弾がマイケルの服に炸裂。すかさずパンチをお見舞いした。

後方へマイケルが飛んでいく。


「ふざけんな、ゲロトムが。覚えてろ」

イヌのようなすばっしこいやつだな。

ゲロまみれでマイケルが逃げて行った。


「お客さん綺麗にしてください」とマスターが、僕らの前で仁王立ちしていた。


あきらかに、ご立腹なので、みんなできれいにし机に戻った。

そのあと、いつものメンバー、ロイド・トム・シーラ・リチャードの4人で賑やかに飲み直しゲームを再開した。


「さてそろそろ勝負を決めますかね」

リチャードは、ロイドの顔を見ながら入念に二択を吟味した。

微笑んだ方と違う方を選び見ようとした瞬間・・・


「ヒヒーーーン!」

酒場に馬車がツッコんできて、一同は騒然とした。

中からは先ほどのマイケルが、仲間を引き連れてやってきた。


「さっきのお礼だ。目にもの見せてやるよ」

今日やってくるとは、誰も想像しておらず、口が開きっぱなしだったが、ロイドは

「マスター早く帰んな、ここは、危ねえからよ」


危機的状況なのに逃がすなんて、「やるー」とリチャードに目くばせをした。


ロイドはそれに気づいて、軽くウィンクをした。


「お前らやっちまえ」

「「おう!!!」」

酔っているシーラをまずつぶしにかかる気だな。

リチャードは、近くにある机を投げ、場をかき乱した。


「やりやがったな」とマイケル軍団が次々と、殴りこもうとするのを、一人ずつ交わして殴る。拳が頬で爆ぜ視界が揺れる。

「さっきのやつらと同じにはならねよ」と筋骨隆々なドビンソンが出てきやがった。


「こいつは、面倒だ。ロイド、トム力を貸してくれ」

「ふんぬぁーーー!おう。任せろ」

トムは、周りの敵を投げ飛ばしながら、タックルでこちらに突っ込んでくる。


スッゥーー。ピッシャ。

「ぎやあーーー」

ロイドは、自慢の剣の腕で、一人ずつ腕、足を胴体から切り離していた。


「わかった、切る」

(マジ怖えなロイドは!だが、心強い。酔ったシーラは、飲んでるからほっとこ。)


「リチャードまずは、お前からだ」と腕を伸ばし、頭を掴もうとしてくる。


目のまで避けると、ドビンソンは、隣の木の柱を破壊する。

あっぶね、死ぬわ。あの腕力。


伸ばした手をすかさず切る。

スゥー。ぐぅぅぅー。

「全く刃が通らんな」


筋肉に阻まれ、剣が腕の途中で止まった。


「つっかまえた」

刺さる剣を筋肉の収縮で抑え、もう一つので拳で殴る。


「させねよ。おらぁぁー」強力な拳の一撃が顔にヒットし、よろけた。


ロイドは剣を離し、回し蹴りで下段を責める。

ドビンソンが倒れる所を、すかさず、リチャードは、肘を頭に入れ、気絶に追い込んだ。


「伸びてやがるぜ」

「ほっとけ。あと、俺の剣返せ」

「さて、マイケルはどこだ」


カチッ。

「動くな。動けばシーラの頭が吹っ飛ぶぞ」

拳銃を持ち、三人を脅す。


「武器を捨てろ」

ガッシャン、武器をそこらに投げた。

三人で目くばせをし、隙を見て、三方向からマイケルの元へと走り込んでいった。


すると、マイケルがシーラの背中を押し、一瞬リチャードの方からは、何も見えなかった。


目の前でシーラをキャッチした瞬間、バッンと発砲音。


とっさに、シーラを抱え、リチャードは背を向けた。

「痛っ」

その瞬間、床に倒れた。


薄れゆく光景の中机の上から、自身の手札が落ちてきた。

「ジョーカーは俺かよ」


自分の情けなさを抱えながら、目をつむった。

「リチャード大丈夫か」

「おい起きろ」

「おぇーー」


「仲間の叫び」

「血の温度・寒さ・光・意識の溶ける感覚」


俺は死ぬのか。


窓から指す薄日で、リチャードは目を覚ました。

(尻がかゆいな。)

腕でかこうとするが、届かない。


(何でだ?!)

腕を上げると、丸くて小さい手になっていた。

(どういうことだ。)


「ジャーンク起きたの。私のかわいい子」

大きな女の人が、リチャードを抱きかかえる。


どうやら、リチャードは、赤ん坊になってしまったらしい。













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