第11話 ザポ・ダラキ
古い約束はなかったことになるんだ
だから血で書いた誓いでも安心できるんだよ
心の奥の正義はまだ残ってるのかもしれないけど
もうどうなってもかまわないんだ
誰かが俺の正体に気づくかな?
それが最初の悩みで
俺が彼女を殺せるのかな?
それが二番目の悩みさ
数日後には俺が死ぬんだろうな
ごめんって言いたいけど
そうしたらみんな死んじまうから
ひとりでホラー映画を観ながら時間を過ごしたいんだ
それが世界に安全をもたらすんだろう
みんなに憧れてたから幸せだったんだ
今はみんなを見下さなきゃいけない立場だけど
八年前のあの日、俺は呪われたんだ
選んだのは俺だった気もするけどな
彼女は俺の想いに気づいてたのかな?
それが三番目の悩みで
あの時の俺たちはどんな存在だったんだろう?
それが四番目の悩みさ
数日後には彼女も死ぬかもしれないから
これから俺は口を閉ざすんだ
彼女を外すことも含めることもできるけど
無差別な殺戮が俺たちの過去を開くだろう
それが世界に恐怖を呼ぶんだろうな
あの犬は俺の正体を知らないだろうけど
でも犬の飼い主も知らないのかな?
全部が不快になっていく今
俺が一番恐れてたのは、自分が狂っていくことだったんだ
最初の戦いは
これから一週間後だけど
その時に決着をつけなきゃな
俺の心臓と彼女の心臓、どっちがどういう意味で価値があるのか
悩まなきゃいけないんだ
それが俺に何かを呼び起こす気がする
古い約束はなかったことになるんだ
だから血で書いた誓いでも安心できるんだよ
心の奥の正義はまだ残ってるのかもしれないけど
もうどうなってもかまわないんだ
昔の俺が約束なんかする性格だったかもしれないけど
もうどうなってもかまわないんだ
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