意味がわかると怖い話

朔舞璃月

第1話 「人気のレストラン」

「先輩は何食べるんですか?私はやっぱりハンバーグかなぁ」

「私もハンバーグの気分!だけど、チキンステーキも捨てがたい...」

「悩んじゃいますね、ここのレストラン、何を食べても美味しいって有名ですもんね!」

 この日、後輩と一緒に人気のレストランで食事をすることになっていた。

 ~運転中~

「わ...検問やってるみたい」

「えー、お腹空いたのに...」

「お急ぎのところすみませんが、少しご協力をお願いします」

「あの...何かあったんですか?」

「この近くで殺人事件がありまして、その事件の犯人が逃走中なんですよ」

「えぇ...怖い...

 どうぞ、調べて下さい」

.・゜゜・ ・゜゜・. .・゜゜・ ・゜゜・.

「やっと着いた!予約17時にしといてよかったね、時間ぴったりだ」

「早く中に入りましょ!」

.・゜゜・ ・゜゜・..・゜゜・ ・゜゜・.

「申し訳ございません、本日は閉店しました。」

「え...?閉店?私達、予約をしているはずなんですけど...」

「申し訳ございません」

「えー...」

「あの、こちら次回のサービス券になりますので

 ぜひご利用下さい。」

「次回のサービス券、、どうも。」

.・゜゜・ ・゜゜・..・゜゜・ ・゜゜・.

「おかしくないですか?ちゃんと予約したのに、“閉店しました”って!」

「すごく楽しみにしてたのに、、」

「店員さんは謝るだけで理由は教えてくれなかったね」

「残念だけど、仕方ないよ」

「サービス券捨てちゃいますよ、もうここには来ないです」

「よし、他に美味しそうなお店探そ!もうお腹ペコペコだよ」

.・゜゜・ ・゜゜・..・゜゜・ ・゜゜・.

 ゴミ箱の中には、

「助けて 110」と書いてあるサービス券が落ちていた。

.・゜゜・ ・゜゜・..・゜゜・ ・゜゜・.






〚 解説 〛

人気のレストランに向かっていた主人公たち。

途中で検問されタイムロスしたものの、予約時間に間に合いました。

しかし、予約しているはずなのにレストランは既に閉店。

店員は謝るばかりで、理由を話しませんでした。

お詫びに渡されたサービス券を、怒った後輩はゴミ箱に捨てて帰りました。

そのサービス券の裏には「助けて」の文字が

つまり、

店員は犯人に上手く客を追い返すように指示されており、バレないように接客しつつ、サービス券にSOSを記したのですね。

しかし、受け取った後輩はそれに気づくことなく捨ててしまったのです...

人気のレストランならどんどん人が来るはず。次のお客さんが気づいてくれることを願っています...

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