記憶を失った少年リュードと、彼を「息子」と呼ぶ魔術師エルド。
穏やかな村で暮らす二人ですが、話が進むにつれ、過去に繋がる謎が見えてくるファンタジー作品です。
【先が気になる構成】
リュードの失われた記憶。
その謎の一つが見えてくると、また新たな疑問へと繋がっていく。
リュードを息子と扱うエルドにも語らない過去があって⋯⋯それぞれの抱えたものが物語を彩り、先を読みたい気持ちにさせてくれます。
【絡み合う関係性】
エルドも若く、リュードを息子と呼ぶには年齢が合わない。それでもエルドの言葉の端々には父親のような雰囲気が漂います。
エルドの婚約者プラウ――滅ぼされた魔術師の一族「シュドム」の生き残りサウレ――
彼らもまた何かを抱えているような登場人物たち。
それぞれの関係性がこの先どうなっていくのか気になります。
【心に残った名台詞】
――本当のこと知っても良いことばかりじゃないと思う
この先に待っているものを予感させる、印象に残る一言でした。
人と人との関係性を楽しみながら、謎を追っていく物語が好きな方に、オススメしたい作品です。
最初は十五歳を目前にしたリュードと彼を息子と言いはるエルドの穏やかな暮らしから始まるのに、少しずつ「この二人は本当にただの親子なのか」「エルドは何者なのか」という疑問が膨らんでいく構成。
日常のやわらかさの奥に、滅ぼされた一族や封印された力、失われた記憶といった重い謎が隠れていて、先が気になります。
リュードがエルドを疑いながらも、完全には疑いきれないところ。エルドもただ優しいだけの保護者ではなさそうで、過去に何を背負っているのか、謎めいた存在。
まだ序盤ながら、世界観と人物の謎がしっかり立っていて、続きを追いたくなる作品だと思いました。めぐり合わせの親子関係が今後どう変わっていくのかたのしみです。